MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

ファイナンス

大塚家具 ヤマダ電機 株価分析

このグログでも何度か取り上げてきた大塚家具が、ヤマダ電機との提携が発表されましたね。出資比率は51%を取ったので、大塚家からするとついに家業を人手に渡したということになります。 https://www.ryutsuu.biz/strategy/l121223.html 価格については株単…

M&A シナジーなんて出たことがない

私はシナジーが嫌いだ。シナジーはM&Aの世界において一番のmagic wordなんだろう。 もちろん、M&Aの本質は、オーナーが変わることにより、シナジーが生み出され、100のものが130や200とかになり、それを売り手と買い手が山分けする win -win の取引であると…

M&A Valuationができる とはどういうレベルか?

ファイナンスの教科書を読んで、Valuationを勉強すると意外に簡単と思うはず。DCFももちろん簡単なのですが、PERなんて、対象会社の純利益に類似業者の倍率(時価総額÷純利益の業界平均)をかけて算出するだけ。使うのは掛け算ということで、算数の世界です…

株式価値 /ファイナンス/PERで資本構成を同じにしないといけない理由

PERで類似業者を選ぶとき、同じ資本構成を選ばないといけません。理由は以下の通り。 A社 EBITDA 50 利払い 20 純利益30 B社 EBITDA 50 利払い 0 純利益50 A社 EV 1000 Debt 500 MV 500 B社 EV 1000 Debt 0 MV 1000 A社 EBITDA倍率 20 PER 16.7 B社 EBITDA倍…

永久成長率の設定 DCF

ターミナルバリュー(TV)の計算に使う永久成長率の設定の考え方は、一般的にインフレ率か事業の成長率か、その両方を掛け合わせたものの3つがある。 私の意見では、事業計画は事業が安定するまでの期間を作るのが基本なので、その期間が終了すると事業の成…

Showroomの記事について

https://president.jp/articles/-/29600 Showroomについての記事がありました。官報等から丁寧に数字を拾ってすごいですね。 “価値が1/10に”とありますが、わずか12百万円のために、Down roundするかなという疑問がわきますが。 この記事では、DCFによる評価…

孫さんSVFの2号ファンド

孫さんのSVFの2号ファンドの記事がでてました。ファンドサイズは12兆円と前回の倍。流石に、UBER、Wework等大型の案件がそこまでもうないのではと思うものの、1号ファンドの6兆円を2年で使い切った、つまり1年で3兆円投資したというので、そのスピード感と規…

デューデリジェンスで不良資産があったときのValuation

たとえば、DDで在庫を調べたら、100億円在庫のうち20億円が不良在庫であったとき、Valuationにどう反映させるか。 まず、評価方法によります。純資産ベースでのValuationであれば、net worthから20億円を差し引くだけです。非常に簡単。 難しいのは、DCFです…

M&A 出資に係る為替リスク

質問をいただきましたので、出資に係る為替リスクについて回答します。 まず、投資における為替リスクは、例えば、USD100milの会社を買収する場合、出資時のレートが1ドル120円のレートであれば、120億円になります。円建てBS上の出資金120億円になります。 …

ブラジルの金利 M&A

今日、サイトをチェックしてたら、昨年からブラジルの政策金利が6%に落ちているみたい。2年前は14%だったので、なんと8%も下がっている。 新興国のリスクフリーレート - MBA x 総合商社道場で説明したとおり、WACCの計算では資本コストはドル建てで計算し…

Terminal Value (TV)設定時の注意点② (CAPEXと減価償却を均等させる)

ご質問(CAPEXと減価償却を均等させるの意味)をいただいたので、新しいエントリーで回答します。 (前提) TVは最終年度のFree Cash Flow(FCF)÷(WACC▲成長率)であり、FCFの計算式は FCF=純利益+減価償却-CAPEX-運転資金増になります。この計算式を見ると…

デサント 伊藤忠によるTOB

最近忙しく少し遅くなりましたが、伊藤忠さんのデサントのTOBが成立しましたね。ドンキの時と違い、今回は通常TOBの相場30%のところ、50%のプレミアムを払うとのことで、伊藤忠さんの気合が感じられますね。 少し思うのは、今回のTOBはわずか10%弱を買い…

お勧め書籍 インフラ・プロファイ

商社・銀行でプロファイやインフラ・資源案件に携わったら、以下の2冊が圧倒的にいいので、お勧めします。全社がプロファイ全般(主にチェックポイント)、後者がプロジェクトファイナンス契約の解説書です。二冊ともに辞書見たな無味乾燥の本ですが、プロフ…

野村・カーライルによるオリオンビール買収 2

前回の続きで、ではなぜ24倍も払えるのか。この秘密はLBOにあります。この会社は自己資本比率80%とのことなので、売掛金・買掛金があることを考えると、おそらく無借金でしょう。従って、LBOが使いやすい。 ・現状 純利益23億円÷(1-税率30%)≒EBITDA33 EB…

野村・カーライルによるオリオンビール買収 1

野村・カーライルがオリオンビールを買収したとの記事が出ています。 報道によれば、買収金額は570億円とのことで、2018/3期の純利益は23億円なので、 PERは24倍。キリンやアサヒが15倍なので、コントロールプレミアムを加味しても、値段は割高に気がします…

ドンキTOB

ファミマが目指していたドンキのTOBが不成立になったとのこと。20%取得を目指したが、6600円の買い付け価格で売り手が少なく、わずか0.2%になったとのことです。 TOB発表前が5500円なので、20%のプレミアムを乗せた感じでしたが、TOB発表直後値段が跳…

DCF 期間毎にWACCを変える

この前、セグメント別WACCを説明しましたが、期間毎にWACCを変えるというのもあります。たとえば、ベンチャーで立ち上がりの5年だけ高いWACCを使ったり、インフラ案件で建設期間だけ高いWACCを使い、安定期に入ったら引くWACCに切り替えるといった具合。 WAC…

ライザップ 事業別WACC ファイナンス

事業部毎にWACCを変えるというのがあります。セグメント毎に類似会社を選びwaccを設定する、この前の続きでライザップでいえば、健康事業と再生事業でWACCを分ける。ライザップの投資は赤字会社を安くかい、黒字化して儲けるという超ハイリスクな事業をやっ…

コングロマリットディスカウント 商社

総合商社は言わずもがなコングロマリットであり、MBAの教科書的にはコングロマリットディスカウント、つまり、分割してバラバラにして合計した方がEVが大きくなるというのが理論である。一般に、コングロマリットディスカウントは、一言でいえば、事業間で生…

なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 失敗する理由

なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 私の答えは3つ。 1.PLが増える 今の会計ルール上、買収し20%以上の出資をすると被買収先のPLが連結決算上くっついてきます。従い、買えば買うだけ見た目上は増収増益になるので、成長を演出できます。(もちろん、買収資…

M&A 入札(オークション)の選定基準 その2

前回、入札では、価格と確実性が大事だと説明したが、それ以外の要素を説明する。 まず、買い手の素行。LOIレベルではいい価格を出しておいて、優先交渉権をとったら、手のひら返しして、買い叩いてくる会社もある。過去のトラックレコード・評判等で信頼で…

M&A 入札(オークション)の選定基準 その1

入札でMAをする際、価格が一番高いところが競り落とすのが基本であるが、それ以外にも選定基準がある。価格の次に大事なのは確実性だ。つまり、Prefered Bidderに選んだらきちんと買ってくれるか。ポイントはいかの通り。 1、ファンディング 買い手にお金が…

WACC の計算 マーケットリスクプレミアムの取り方(番外編)

前回の続きで、Rf+ERP×βが資本コストになります。 日本の場合は、10年国債が0.1%とかですが、ERPは4,5%あります。過去30年のデータを使った数値になります。株式市場はアップダウンがありますが、長期でみれば投資家はこれだけのリターンを享受してきたと…

WACCの計算 マーケットリスクプレミアムの取りかた

資本コストはRF+ERP×βから計算される。前回RFの取りかたについて、講義したが、 今日はERPについて。 まず、おさらいですが、資本コストは、RF(つまり国債)に株式投資に対するプレミアムに加算して出します(ベータはまた次回)。つまり、株式はリスクのな…

WACCの計算 リースフリーレートの取りかた(番外編)

前回お話したとおり、リスクフリーレートは、評価日時点の国債を使います。資本コストの計算式は、RF + ERP β.という計算式から、RFが上がれば資本コストが上がり、資本コスト(割引率)が上がるということは、企業価値が下がるということになります。 (た…

WACCの計算 リスクフリーレートの取りかた

資本コストの計算式は、RF + ERP β.です。 では、リスクフリーレート(RF)は何を使うか。一般的には10年国債を使うのが一般的。なぜ10年かというと、基本的な考えは事業Durationにあわせるということになるが、ある程度長期、データのAvailabilityから大体1…

ファイナンス マルチプルとDCF どちらを使うべきか

以前、話をした通り、両方でValuationするのが基本。マルチプルとDCFの違いを比較し、間違いの気づきの機会にする。 変数がEBITDA、倍率(そのデータの元になる類似企業)のみのマルチプルに対して、DCFは事業計画はもちろんのこと、永久成長率や割引率だっ…

逆張り

逆張りができるのは、本当の投資のプロであり、本来ロングタームで物事を考えられる商社は逆張りを本来やらないといけない。しかし、実際は難しい。理由2つ。 1、社内説明が難しい 市況がボロボロのときに、「今が買いです」と言っても、もっと下がるので…

大塚家具 株価

今話題の大塚家具の株価の分析をします。 時価総額は83億円(2018/8/7時点)。 2017/12期の決算は、以下の通り。 現金 18億円 総借入 0億円 自己資本 176億円 総資産 291億円 売上高 410億円 (cf 2015年度 580億円) 粗利益 209億円 (同 308億円) 販管費 2…

マルチプルとDCF

Valuationをするときに大事なのは、数字の意味を考えるということ。 たとえば、本を見ながらエクセルをつくり、DCFで100億円と算出する。一方、EBITDAマルチプルでも、これも株価をひっぱってきて、60億円と評価する。そして、今回の買い物は、80億円だから…