MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

ファイナンス

デサント

最近忙しく少し遅くなりましたが、伊藤忠さんのデサントのTOBが成立しましたね。ドンキの時と違い、今回は通常TOBの相場30%のところ、50%のプレミアムを払うとのことで、伊藤忠さんの気合が感じられますね。 少し思うのは、今回のTOBはわずか10%弱を買い…

お勧め書籍 インフラ・プロファイ

商社・銀行でプロファイやインフラ・資源案件に携わったら、以下の2冊が圧倒的にいいので、お勧めします。全社がプロファイ全般(主にチェックポイント)、後者がプロジェクトファイナンス契約の解説書です。二冊ともに辞書見たな無味乾燥の本ですが、プロフ…

野村・カーライルによるオリオンビール買収 2

前回の続きで、ではなぜ24倍も払えるのか。この秘密はLBOにあります。この会社は自己資本比率80%とのことなので、売掛金・買掛金があることを考えると、おそらく無借金でしょう。従って、LBOが使いやすい。 ・現状 純利益23億円÷(1-税率30%)≒EBITDA33 EB…

野村・カーライルによるオリオンビール買収 1

野村・カーライルがオリオンビールを買収したとの記事が出ています。 報道によれば、買収金額は570億円とのことで、2018/3期の純利益は23億円なので、 PERは24倍。キリンやアサヒが15倍なので、コントロールプレミアムを加味しても、値段は割高に気がします…

ドンキTOB

ファミマが目指していたドンキのTOBが不成立になったとのこと。20%取得を目指したが、6600円の買い付け価格で売り手が少なく、わずか0.2%になったとのことです。 TOB発表前が5500円なので、20%のプレミアムを乗せた感じでしたが、TOB発表直後値段が跳…

期間毎にWACCを変える

この前、セグメント別WACCを説明しましたが、期間毎にWACCを変えるというのもあります。たとえば、ベンチャーで立ち上がりの5年だけ高いWACCを使ったり、インフラ案件で建設期間だけ高いWACCを使い、安定期に入ったら引くWACCに切り替えるといった具合。 WAC…

ライザップ 事業別WACC

事業部毎にWACCを変えるというのがあります。セグメント毎に類似会社を選びwaccを設定する、この前の続きでライザップでいえば、健康事業と再生事業でWACCを分ける。ライザップの投資は赤字会社を安くかい、黒字化して儲けるという超ハイリスクな事業をやっ…

コングロマリットディスカウント

総合商社は言わずもがなコングロマリットであり、MBAの教科書的にはコングロマリットディスカウント、つまり、分割してバラバラにして合計した方がEVが大きくなるというのが理論である。一般に、コングロマリットディスカウントは、一言でいえば、事業間で生…

なぜ経営者はM&Aが好きなのか?

なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 私の答えは3つ。 1.PLが増える 今の会計ルール上、買収し20%以上の出資をすると被買収先のPLが連結決算上くっついてきます。従い、買えば買うだけ見た目上は増収増益になるので、成長を演出できます。(もちろん、買収資…

入札(オークション)の選定基準 その2

前回、入札では、価格と確実性が大事だと説明したが、それ以外の要素を説明する。 まず、買い手の素行。LOIレベルではいい価格を出しておいて、優先交渉権をとったら、手のひら返しして、買い叩いてくる会社もある。過去のトラックレコード・評判等で信頼で…

入札(オークション)の選定基準 その1

入札でMAをする際、価格が一番高いところが競り落とすのが基本であるが、それ以外にも選定基準がある。価格の次に大事なのは確実性だ。つまり、Prefered Bidderに選んだらきちんと買ってくれるか。ポイントはいかの通り。 1、ファンディング 買い手にお金が…

マーケットリスクプレミアムの取り方(番外編)

前回の続きで、Rf+ERP×βが資本コストになります。 日本の場合は、10年国債が0.1%とかですが、ERPは4,5%あります。過去30年のデータを使った数値になります。株式市場はアップダウンがありますが、長期でみれば投資家はこれだけのリターンを享受してきたと…

マーケットリスクプレミアムの取りかた

資本コストはRF+ERP×βから計算される。前回RFの取りかたについて、講義したが、 今日はERPについて。 まず、おさらいですが、資本コストは、RF(つまり国債)に株式投資に対するプレミアムに加算して出します(ベータはまた次回)。つまり、株式はリスクのな…

リースフリーレートの取りかた(番外編)

前回お話したとおり、リスクフリーレートは、評価日時点の国債を使います。資本コストの計算式は、RF + ERP β.という計算式から、RFが上がれば資本コストが上がり、資本コスト(割引率)が上がるということは、企業価値が下がるということになります。 (た…

リスクフリーレートの取りかた

資本コストの計算式は、RF + ERP β.です。 では、リスクフリーレート(RF)は何を使うか。一般的には10年国債を使うのが一般的。なぜ10年かというと、基本的な考えは事業Durationにあわせるということになるが、ある程度長期、データのAvailabilityから大体1…

マルチプルとDCF どちらを使うべきか

以前、話をした通り、両方でValuationするのが基本。マルチプルとDCFの違いを比較し、間違いの気づきの機会にする。 変数がEBITDA、倍率(そのデータの元になる類似企業)のみのマルチプルに対して、DCFは事業計画はもちろんのこと、永久成長率や割引率だっ…

逆張り

逆張りができるのは、本当の投資のプロであり、本来ロングタームで物事を考えられる商社は逆張りを本来やらないといけない。しかし、実際は難しい。理由2つ。 1、社内説明が難しい 市況がボロボロのときに、「今が買いです」と言っても、もっと下がるので…

大塚家具

今話題の大塚家具の株価の分析をします。 時価総額は83億円(2018/8/7時点)。 2017/12期の決算は、以下の通り。 現金 18億円 総借入 0億円 自己資本 176億円 総資産 291億円 売上高 410億円 (cf 2015年度 580億円) 粗利益 209億円 (同 308億円) 販管費 2…

マルチプルとDCF

Valuationをするときに大事なのは、数字の意味を考えるということ。 たとえば、本を見ながらエクセルをつくり、DCFで100億円と算出する。一方、EBITDAマルチプルでも、これも株価をひっぱってきて、60億円と評価する。そして、今回の買い物は、80億円だから…

入札案件の流れ その4

今日は、5.Prefered bidder 、最終交渉、6.SPA締結、7.クロージング を説明します。2次Bidで最終価格とSPAのマークアップの札を入れると、ようやく1社に絞り込まれ、2週間ほどの独占交渉権を与えられ、SPA等最終交渉を行います。ここで、合意できればS…

入札案件の流れ その3

今日は、3.DD、4.2次BIDについて。 1次Bidを通過した数社にはData roomにて資料が開示されDDに入ります。その後マネジメントインタビューやサイトビジットの機会も通常得られます。買う側はいいですが、売り側は、数社のDDの相手をしなくてはいけないの…

入札案件の流れ その2

今回は、NDA、ティザーの入手、1次BIDまでを簡単に説明します。 通常、入札案件では、FAや売り手から複数のBuyer候補に声をかけます。 PEが株主の場合なんかは、50社ぐらいティザーをばら撒くときもあれば、 10社ぐらいにしかまかないときもあります。(情報…

初心者向けのValuation

初心者向けのValuationのお勧め方法を書きます。初心者といいますが、私も実際の仕事のときに価格の感覚をつかみたいときに使っているやり方です。 使うフォーミュラーは、 EBITDA ×倍率=EVとEV-Net Debt= MV と だけです。 一番頭を使うのは、EBITDAで、そ…

社内資本金制度

私の大好きな管理会計の分野に社内資本金制度がある。アメーバ経営の流行で、セグメント毎に本社が資本金を割り当て、BS・PL・CFを作らせ、あたかもひとつの独立した会社のように経営に当たる。 簡単な仕組みは以下の通り。 1.仕組み まず、資産(売掛債権…

Hurdle rate

Hurdle rate、つまり投資をする際に最低限クリアーしなくてはならない水準、は投資をやる会社ならどこでも持っているはずだが、その水準はいかに決めればいいか。 基本的には、上場会社であれば、その会社の株価から投資家の要求利回りを計算するのが基本に…

サイズリスクプレミアム

インフラや資源投資はアセットビジネスであり、ポートフォリオ(複数アセット)ではなく単一アセットを取得することが多い。Valuationをする際、上場の類似会社のベータをもってWACCを推定するわけであるが、これら類似会社は複数アセットを持っており、分散…

FFOC

借入水準を見る指標として、代表的なものとして、有利子負債÷EBITDAがある。EBITDAは使いなれてるし、簡単に計算できるという意味で、使い勝手がいい。 一方、元本をあとどれだけで返せるかというと、EBITDAは文字通り、I(利息)、T(税金)前で、且つ、運…

配当にかかる税金

投資家のリターンは、配当とキャピタルゲインであるが、それぞれに税金がかかる。海外投資であれば、例えば、現地で源泉税、国内で所得税がかかったりするが、Valuationをする際は、あくまで対象会社のAvailabile cashベースであり、投資家が払う税金は考慮…

新興国のリスクフリーレート

新興国のValuationをするとき、まず問題になるのが、どこのリスクフリーレート、つまりどの国債の数値を使うか。 結論としては、ドル国債を使い、WACCを算出した上で、インフレ調整(+カントリーリスクプレミアム)したうえで、現地j通貨建てのWACCを算出す…

負債コストの理論2

前回、負債コストは、企業の借入コスト(表面利回り)を使うが、理論的には期待利回りを使うべしと説明した。ではどうやって期待利回りを出すか。やり方は2つある。 1つ目は、企業の倒産リスクと清算配当に前提を置き、倒産リスクを推定し、期待リターンを…