MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

ファイナンス

マーケットリスクプレミアムの取り方(番外編)

前回の続きで、Rf+ERP×βが資本コストになります。 日本の場合は、10年国債が0.1%とかですが、ERPは4,5%あります。過去30年のデータを使った数値になります。株式市場はアップダウンがありますが、長期でみれば投資家はこれだけのリターンを享受してきたと…

マーケットリスクプレミアムの取りかた

資本コストはRF+ERP×βから計算される。前回RFの取りかたについて、講義したが、 今日はERPについて。 まず、おさらいですが、資本コストは、RF(つまり国債)に株式投資に対するプレミアムに加算して出します(ベータはまた次回)。つまり、株式はリスクのな…

リースフリーレートの取りかた(番外編)

前回お話したとおり、リスクフリーレートは、評価日時点の国債を使います。資本コストの計算式は、RF + ERP β.という計算式から、RFが上がれば資本コストが上がり、資本コスト(割引率)が上がるということは、企業価値が下がるということになります。 (た…

リスクフリーレートの取りかた

資本コストの計算式は、RF + ERP β.です。 では、リスクフリーレート(RF)は何を使うか。一般的には10年国債を使うのが一般的。なぜ10年かというと、基本的な考えは事業Durationにあわせるということになるが、ある程度長期、データのAvailabilityから大体1…

マルチプルとDCF どちらを使うべきか

以前、話をした通り、両方でValuationするのが基本。マルチプルとDCFの違いを比較し、間違いの気づきの機会にする。 変数がEBITDA、倍率(そのデータの元になる類似企業)のみのマルチプルに対して、DCFは事業計画はもちろんのこと、永久成長率や割引率だっ…

逆張り

逆張りができるのは、本当の投資のプロであり、本来ロングタームで物事を考えられる商社は逆張りを本来やらないといけない。しかし、実際は難しい。理由2つ。 1、社内説明が難しい 市況がボロボロのときに、「今が買いです」と言っても、もっと下がるので…

大塚家具

今話題の大塚家具の株価の分析をします。 時価総額は83億円(2018/8/7時点)。 2017/12期の決算は、以下の通り。 現金 18億円 総借入 0億円 自己資本 176億円 総資産 291億円 売上高 410億円 (cf 2015年度 580億円) 粗利益 209億円 (同 308億円) 販管費 2…

マルチプルとDCF

Valuationをするときに大事なのは、数字の意味を考えるということ。 たとえば、本を見ながらエクセルをつくり、DCFで100億円と算出する。一方、EBITDAマルチプルでも、これも株価をひっぱってきて、60億円と評価する。そして、今回の買い物は、80億円だから…

入札案件の流れ その4

今日は、5.Prefered bidder 、最終交渉、6.SPA締結、7.クロージング を説明します。2次Bidで最終価格とSPAのマークアップの札を入れると、ようやく1社に絞り込まれ、2週間ほどの独占交渉権を与えられ、SPA等最終交渉を行います。ここで、合意できればS…

入札案件の流れ その3

今日は、3.DD、4.2次BIDについて。 1次Bidを通過した数社にはData roomにて資料が開示されDDに入ります。その後マネジメントインタビューやサイトビジットの機会も通常得られます。買う側はいいですが、売り側は、数社のDDの相手をしなくてはいけないの…

入札案件の流れ その2

今回は、NDA、ティザーの入手、1次BIDまでを簡単に説明します。 通常、入札案件では、FAや売り手から複数のBuyer候補に声をかけます。 PEが株主の場合なんかは、50社ぐらいティザーをばら撒くときもあれば、 10社ぐらいにしかまかないときもあります。(情報…

初心者向けのValuation

初心者向けのValuationのお勧め方法を書きます。初心者といいますが、私も実際の仕事のときに価格の感覚をつかみたいときに使っているやり方です。 使うフォーミュラーは、 EBITDA ×倍率=EVとEV-Net Debt= MV と だけです。 一番頭を使うのは、EBITDAで、そ…

社内資本金制度

私の大好きな管理会計の分野に社内資本金制度がある。アメーバ経営の流行で、セグメント毎に本社が資本金を割り当て、BS・PL・CFを作らせ、あたかもひとつの独立した会社のように経営に当たる。 簡単な仕組みは以下の通り。 1.仕組み まず、資産(売掛債権…

Hurdle rate

Hurdle rate、つまり投資をする際に最低限クリアーしなくてはならない水準、は投資をやる会社ならどこでも持っているはずだが、その水準はいかに決めればいいか。 基本的には、上場会社であれば、その会社の株価から投資家の要求利回りを計算するのが基本に…

サイズリスクプレミアム

インフラや資源投資はアセットビジネスであり、ポートフォリオ(複数アセット)ではなく単一アセットを取得することが多い。Valuationをする際、上場の類似会社のベータをもってWACCを推定するわけであるが、これら類似会社は複数アセットを持っており、分散…

FFOC

借入水準を見る指標として、代表的なものとして、有利子負債÷EBITDAがある。EBITDAは使いなれてるし、簡単に計算できるという意味で、使い勝手がいい。 一方、元本をあとどれだけで返せるかというと、EBITDAは文字通り、I(利息)、T(税金)前で、且つ、運…

配当にかかる税金

投資家のリターンは、配当とキャピタルゲインであるが、それぞれに税金がかかる。海外投資であれば、例えば、現地で源泉税、国内で所得税がかかったりするが、Valuationをする際は、あくまで対象会社のAvailabile cashベースであり、投資家が払う税金は考慮…

新興国のリスクフリーレート

新興国のValuationをするとき、まず問題になるのが、どこのリスクフリーレート、つまりどの国債の数値を使うか。 結論としては、ドル国債を使い、WACCを算出した上で、インフレ調整(+カントリーリスクプレミアム)したうえで、現地j通貨建てのWACCを算出す…

負債コストの理論2

前回、負債コストは、企業の借入コスト(表面利回り)を使うが、理論的には期待利回りを使うべしと説明した。ではどうやって期待利回りを出すか。やり方は2つある。 1つ目は、企業の倒産リスクと清算配当に前提を置き、倒産リスクを推定し、期待リターンを…

負債コストの理論1

以前負債コストは、企業の借入コストから推定するのがPracticeであることを説明した。実務ではそれで全てであるが、今回は負債コストの理論をもう少し掘り下げたい。 CAPMで使用する負債コストは、実際は企業の借入コストではなく、投資家の期待利回りを使う…

割引率とcash flow

DCFによる価値評価は、Cash flowと割引率からなる。事業計画の通りにCashを創出できないリスクをいかに反映させるかがポイントとなるが、原則、Cash Flowに感度分析をするなどして、そのリスクを反映させ、Cash Flowに反映できないものを、割引率を上げてバ…

グローバル企業のValuation

対象マーケットがローカルではなく、海外市場がメインの会社を評価する際は、類似企業も同じくGlobalでビジネスを展開している企業を選定する。 例えばトヨタを評価する場合、日産や本田だけでなく、ルノー、ダイムラー、フォード等の企業も入れる。どの企業…

PBR

マルチプルによるValuation手法の一つ。Price book value ration。計算式は以下の通り。 株価/1株当たりの純資産(純資産÷株式数) 両辺に株式数をかける 時価総額÷純資産 上記式からも分かる通り、時価総額が会計上の純資産の何倍かを見る指標。Cash Flow…

ファイナンス初学者のお勧め書籍

総合商社の新入社員等、ファイアンスの初学者向けのお勧め書籍を紹介します。 1.道具としてのファイナンス 時間価値等のファイナンスの土台となる考え方を身につける本。最初の1冊。ファイナンスは直ぐに数字、数式の話になるが、「要するにこういうこと」…

マルチプルは予想、実績(直近決算)どちらを使うべきか?

答えは予想。なぜなら、投資家は予想を見て株を売買しているはずだから。もちろん。予想の確からしさの検証は必要。MBAの教授が実証実験でも予想ベースの方が正確というデータがあるといっていた。 一方、証券会社によっては、マルチプルを予想と実績の両方…

PERとEBITDAどちらが正確か?

答えはEBITDA。なぜならPERは純利益をベースとしていることから、EBITDAと異なり利払い後の数字となる。よって、類似企業の資本構成は同じである必要があるが、現実的には同じでない為、数字の確からしさが低くなる。 また、PERの為、特別損失等の非営業損益…

EBITDA倍率の理論的根拠

前回のPERの理論的根拠とほとんど同じだが、EBITDA倍率(12倍)が何を意味するか。 EV=EBITDA×12倍 ・・・① ①の12倍を%に変換 8.3%=1÷12倍 EV=EV=EBITDA/8.3% ・・・・② FCFはEBITDAを税後にしたもの。税率30%と仮定してEBITDAをFCFに置き換える。 E…

PERの理論的根拠

PERの理論的根拠は以下の通り。 株式価値(MV)=純利益×PER(倍率)・・・① Terminal Value(TV)の計算式は、FCF÷(WACC△成長率)であるが、 MV=terminal Value(TV)、FCF=純利益と仮定すると、 MV(TV)=純利益(FCF)÷(WACC△成長率) となる。・・・② ②…

Terminal Value (TV)設定時の注意点  

TVは最終年度のFree Cash Flow(FCF)÷(WACC▲成長率)。超基本となるが、TV算出に使用するFCFのベースとなる減価償却と設備投資を均衡させなければならない。 事業計画は、事業が安定する年度まで作成するのが基本。よって、事業が成長段階を終え、Capaxも基…

有利子負債コストの推計

負債コストの推計(データ収集)は実務では以下の順序で行う。 1.対象会社の借入コスト(DDで調べる) ポイントは、以下の通り。 ・親会社がいても、その信用力に依存しないスタンドアローンベース。 ・負債コストの数字を取る時は、リスクフリーレートの年…