総合商社
資産運用の本を読んでいたら、株式投資のリターンの70%はアセットアロケーション、つまりどこにお金をはるかであり、我々が日々血眼になっている、いつ売り時か、安い時に仕込むというのは、実はそこまでリターンに聞かないらしい。 その考えていくと、総…
商社に入り、M&Aの仕事を20年近くやってきた。国内、海外、買収、売却、TOB、インフラ系と様々なDealを手がけて来たが、その数30ぐらいになるだろうか。M&Aの仕事をしてみて思うところを少し書いてみようと思う。 まず、やってよかったと思うのは、外で売…
私は総合商社の隠れた強みとして国際税務があると考えている。 M&Aにおいて、税務は物凄いインパクトがある。軽く数億、スキームによっては数十億円、数百億円の違いがでてくる。 各国税務に精通することはもちろん、租税条約まで出てくると、内容複雑怪奇…
レジ袋有料化は「エコ」じゃない…製造会社の涙の訴えと"死んだウミガメ"の真相 レジ袋有料化は「エコ」じゃない…製造会社の涙の訴えと"死んだウミガメ"の真相 海を漂うプラゴミのわずか0.3% | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) この記事を読んで、そ…
総合商社の決算が出ましたね。一部、減損があるものの、このコロナ下でも総じて各社黒字決算になっています。 金属、エネルギー、資源、自動車が大きく落ち込む一方、生活、インフラ等が堅調に推移し、全社業績を支えています。因みに同じ資源でも石炭は低迷…
PBR最終回の今回は、ではなぜ商社の株式はPBR1倍割れているか。 本日の株価を見ると伊藤忠以外の5大商社はPBR1倍を切ってます。 そもそも今の商社は、投資会社なので、保有している株式の価値で時価総額も収れんするはず。もちろん、昔買った含み益のある資…
コロナですっかりリモートワークが定着しつつありますが、Afterコロナを考えたとき、総合商社でリモートワークをどう活用していくかを少し考えます。 まず、私がリモートワークをやったみた実感として、以下の感想があり、トータル圧倒的にいい。 ・通勤がな…
今日はナレッジというより、思い出話。 私が総合商社に入社したのは早20数年前。その頃は、まだまだトレード全盛で、且つ、今とことなり超ブラック企業で、12時まで仕事して、そこから飲みに行ったりしてました。 とにかく、拘束時間が長ったですね。人間力…
以下の記事を見つけたのでシェアします。 なぜいま若手は総合商社から去っていくのか|遼 for Compass Posse|note 今の若手はこういうアプローチで物事を考えるだと改めて思いました。ただ、私は思うのは、会社は学校ではないのでスキルを学ぶためにいる場…
一般的に海外、クロスボーダーのM&Aの難しさは、情報の非対称性だったり、法制度や文化の違い等があげあれるが、私からすると、日本の本社人材が使えないということだと思う。 国内の会社であれば、社長はもちろん、マーケや販売が弱ければ適当な人物を出向…
商社で仕事していて、最近すごく思うのは、日本は人口減でマクロでは伸びない市場であり、日本企業の競争力も年々落ちているという事実。もちろん、商社はグローバルにビジネスを展開しているが、それはあくまで日本という切り口があってこそです。たとえば…
MBAの時にならったのモチベーションの源泉。 1.報酬(含む出世) 2.自己成長 3.他人への貢献 総合商社を含む終身雇用の会社は、早ければ30代、どんなに遅くとも50歳にはその人がどこまで階段を登れるか、勝負がつきます。若い時は出世やスキルを身に着…
佐藤優さんと丸紅國分会長の対談がのってました。 國分文也(丸紅株式会社取締役会長)【佐藤優の頂上対決/我々はどう生き残るか】(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース 「僕も入社式の時などに言うのですが、どんなに小さくても背中に日の丸を意識しろって。…
M&Aは、失敗がつきもの。もちろん、成功確度を高めるのが大事であるものの、実際にはどうしても失敗するときは失敗します。外部要因もあります。 そこで大事なのは、失敗する価値のある案件をやるということ。あとから、なんでやったんだろう、と思うような…
最近、バタバタしていて久しぶりのアップになりました。 商社は長らく人材輩出企業であるし、自分が就活していたときも、経営者というキーワードがあったと思う。 しかし、トレードから事業投資、且つその事業投資も海外が主戦場になった今、商社のキャリア…
商社・銀行でプロファイやインフラ・資源案件に携わったら、以下の2冊が圧倒的にいいので、お勧めします。全社がプロファイ全般(主にチェックポイント)、後者がプロジェクトファイナンス契約の解説書です。二冊ともに辞書見たな無味乾燥の本ですが、プロフ…
以下の記事を読みました。 https://blogos.com/article/345829/ 一言でいえば、高学歴の学生は自分が特別だと勘違いして、大して準備もせず、就職が決まらないと。そして、結びは「高学歴難民にならないようにするには、早く「自分は人並み」と気づくことが…
総合商社は言わずもがなコングロマリットであり、MBAの教科書的にはコングロマリットディスカウント、つまり、分割してバラバラにして合計した方がEVが大きくなるというのが理論である。一般に、コングロマリットディスカウントは、一言でいえば、事業間で生…
逆張りができるのは、本当の投資のプロであり、本来ロングタームで物事を考えられる商社は逆張りを本来やらないといけない。しかし、実際は難しい。理由2つ。 1、社内説明が難しい 市況がボロボロのときに、「今が買いです」と言っても、もっと下がるので…
三井物産が社内企業制度を導入するという記事が1年前ぐらいにあった。 でも昔の商社みたいに、1億円ぐらいの利益規模じゃ今の商社は満足しないので、この人口減の国で、事業計画で100億円とは言わないまでも10億円単位の利益を見込めるベンチャーって実際は…
商社の将来性があるかという問いに対して、答えはYESともNoともいえないが、少なくとも自分で決められるということは言うことができる。 なんだそんなことかと思うかも知れないが、これって実はすごいこと。商社は決まったビジネス領域はないので、やろうと…
よく学生が起業するために商社に入社するという考えについて、私の考えを述べたい。結論としては、この考えが正しいかどうかは50 vs 50。 というのは、確かに商社の仕事はまさに経営そのもので、高い視座で物事を見て、また同時にあらゆるオペレーション(営…
第17回は出資比率。 PE:100%商社:20-100% PEは基本事業ノウハウを持たず、ガバナンスを利かせて(簡単に言うと、Performしないとクビにする)プロ経営者を働かせるモデルであり、従い、出資比率は基本100%にする必要がある。 一方、商社の場合は、フ…
第16回は、従業員数。 PE:数十人商社:数千人 PEはあくまで投資家のプロであり、立ち上げの期間を除いては、出資先に出向することもないので、1案件の担当は通常2,3名でそこまで人手がいるビジネスではない。経理や法務等のアドミは基本アウトソース。従っ…
第15回は、担当者の案件の関わり方 PE:原則投資期間中の担当変更なし商社:原則投資期間中の担当変更あり これもケースバイケースだが、PEは案件と担当がひも付きで、出資からEXITまで一貫して担当することが多い。 一方、商社は基本EXITを想定してないこ…
第14回は報酬体系の違いについて述べる。 PE:基本給+インセンティブ商社:基本給+ボーナス PEはファーム自体が投資家との契約で、予め定めたリターンを超えるリターンが上がると、Carried interestと呼ばれるボーナスが支払われ、これが従業員にも支払わ…
第13回は、従業員の雇用形態の違いについて述べる。 PE:プロフェッショナル/終身雇用でない商社:サラリーマン/終身雇用 PEは、コンサル等と同じくプロフェッショナルファーム。従い、基本は厳しい世界で、当然解雇等もあり得る。但し、1案件に3-5年…
第12回は要求リターン。違いは以下の通り。 PE:IRR25%商社:WACC5-10%程度 通常PEのIRRは20-30%を求められる。IRR20%といえば、保有期間5年なら、ROIで2.5倍、つまり100億円で買った会社を250億円でうらないといけない。相当重いノルマと言えます。 従って…
その11は投資後のアプローチ。違いは以下の通り。 PE:ガバナンス強化、コンサルを通じた収益強化商社:Green Fieldの成長、本業とのシナジー PEは何と言ってもガバナンス屋。DD,そして100日プランでValue up策を打ち立て、その施策の実行にインセンティブを…
第10回は投資期間 違いは以下の通り。 PE:2-7年でEXIT商社:年限なし PEの場合、投資家にお金を返さなければならず、また高いIRR目標(IRR20-30%)もあり、長期間保有することができない。通常2-5年、長くても7年ぐらいで売却する。 商社は、基本的にはEXI…