マーケットリスクプレミアム ご質問
いつも、ネタがなくても困っているところ、ありがたいことにご質問をいただきましたので、以下回答します。
(質問)
2016年9月7日のブログで(ちょっと古いですが)、「先進国 の株式市場のリスクプレミアムは大体5-7%程度(私の感覚)。 」とありました。一方、東証のVolatility Index(VI)は22%前後で推移しています。自分の理解では、 VIと株式市場のリスクプレミアムは理論的に一致するものと思っ ていましたが、その「5-7%程度」と22% の差はなぜ発生するのでしょうか?
(回答)
結論からいうと、データの対象とする期間の差(1ヶ月 VS 20年)と思います。
まず、私はVIについてあまり明るくなかったのですが、以下のサイトを見ると、向こう1ヶ月の変動率を先物のデータを使って算出したものと理解しました。
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?idx=nk225vi
一方で、マーケットリスクプレミアムは、投資家が株式市場から期待する超過リターン(リスクフリーの国債に対して)を意味します。このデータの1番オーソドックスな算出の仕方は、日本であれば過去20年、30年東証に投資していたらいくらの利回りが出たかを
実際に計算するやり方。過去のリターンが今後も続く前提で投資家は期待利回りを決めるということで、これが5−7%程度になります。足下はもう少しひくいと思いますが。
ちなみに、このデータはイボットソンという会社が有料レポートを出していて、証券会社や商社はこのレポートを買って、マーケットリスクプレミアムとして使っています。個人的ではとても買えないのですが、日本では大体5%ぐらいですし、20年とか平均を使うのでそこまで動きません。
もう一つのやり方は、Forwardーlookingで、IESE Business Schoolが出しているレポートは機関投資家にヒアリングして集計したもので、この類になります。無料で、このレポートだと日本は6.2%ですね。
あと、無料のデータベースだとDamodaran(http://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/)も便利です。
以上、参考になれば幸いです。