M&A 高値掴み
M&A 高値掴み
M&Aにおいて、「あの買収は高値掴みだ」と言われるが、これはどういうことだろう。
一般には、買収において、シナジーを見越して、プレミアムを払ったものの、実際にやってみたら、シナジーが創出されず、プレミアム分、損したというもの。つまり、M&AがDay0においてはプレミアム分だけマイナスのリターンであり、PMIでシナジーを出し、この損失を取り戻し、最終的にリターンを転じるべく頑張るのだが、実際はそうならないこともあるということだ。
さらに言うと、大体プレミアムを払うDealは、そもそも売り手の目線に合わせるべく、ストレッチすることが多いので、プレミアムだけでなく、スタンドアローンも実は相当背伸びしていることも多い。例えば、ベースの収益をEBITDA10で見ていたが、実はそれはピークで買った瞬間5まで減るなんてこともよくある。
プレミアムは所詮、スタンドアローンの30%が相場と言われており、極端に言えば、傷を追っても致命傷にならないが、スタンドアローンまで棄損すると、目も当てられない状態になる。暖簾も当然減損。