2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧
財務分析の教科書に、卸売業の自己資本比率は20%、製造業は30%程度は必要と書いてあるが、なぜ商社は製造業に比べて自己資本比率が低いか。 答えは、運転資金。運転資金とは「売掛債権+在庫ー買掛債務」から計算されるが、商社の場合は在庫や金融機能…
うちの新人に「この会社債務超過なのに、なぜ倒産しないのですか?」と聞かれたので、その答え。 まず債務超過とは会計上のBSで、株主が払い込んだ資本金等よりも、過去の累積損失が大きくなっている状態。つまり、過去、株主から預かった金を全てすってしま…
総合商社が、新規設立、買収に係わらず、広く世界で事業展開しているパートナーと合弁事業をやる場合、海外の競争法、特にEUと中国のFilingが必要となる場合がある。買収の担当者は、常にこのポイントを意識して、弁護士に独禁法の届出の要否を確認する必要…
前回、負債コストは、企業の借入コスト(表面利回り)を使うが、理論的には期待利回りを使うべしと説明した。ではどうやって期待利回りを出すか。やり方は2つある。 1つ目は、企業の倒産リスクと清算配当に前提を置き、倒産リスクを推定し、期待リターンを…
以前負債コストは、企業の借入コストから推定するのがPracticeであることを説明した。実務ではそれで全てであるが、今回は負債コストの理論をもう少し掘り下げたい。 CAPMで使用する負債コストは、実際は企業の借入コストではなく、投資家の期待利回りを使う…
善管注意義務を東芝のケースで考える。 ご存知、東芝の不正会計であるが、前回の内容から以下がポイントになると思われる。 取締役が直接不正会計を指示したとなれば、直接違法行為となり、アウト。チャレンジいう名の、達成不可能な予算(不可能かどうかが…
まず、善良の意味は専ら会社の利益の為権限を行使することを意味する。当たり前だが、私的な利益のために取締役は働いてはいけない。しかも”専ら”がポイント。 次に管理者としての注意義務は、経営判断の合理性と監督義務の2つ。 経営判断の合理性について…
私の部下の新人に、「商社に入ったら、バリバリ海外出張して、大きな買収やるのをイメージしてたのに、入社してから、研修ばかりで、ほとんどまともな仕事をさせてもらえない。」とクレームされた。 流石が現代の新人、ある意味意識が高いなと思いつつ、私の…
人にもよるし、部署にもよるが、一般的にはそれほどでもないとうことになると思います。特にコンサルや投資銀行に比べれば。 私が若いころは、本当に激務で、当時は寮に住んでいたが、夜11時前に寮にいる人はほとんどまれで、みんなwork hard play hardで、…
コーポレートガバナンスというと分かりづらいが、経営の効率性を担保することが目的であり、その定義を一言で言うとダメな経営者をクビにする仕組みということになる。 といことでいくら社外取締役とか指名委員会とかあっても 実態面でその社長をクビにでき…
答えは頭がいい人もいる。私の学校では、やはり欧州のコンサルの社費で来ている学生はびっくりするぐらい優秀だった。一方、普通、たまにはアホもいるので、必ずしも優秀とは言えないものの、感じたのは私が勤める総合商社よりも私の通ったビジネススクール…
以前は、MBAに行くなら社会人経験5年ぐらいした28歳で行くことをお勧めしたが、私自身は33歳でMBAに行った。以下、良く聞かれる質問に答える。 ・みんな若いのに浮かないか? 答えは、全然浮かない。まず、日本人は見た目が若く見えるので(Or 外国人が老け…
高橋さんの記事に、「政府(含む日銀)のネットの負債残高は150兆円程度で、強制的に税金を徴収できる徴税権があり、毎年30兆円以上の税金徴収からその資産価値は数百兆円以上だろう。よって政府は債務超過ではない」という趣旨のものがあった。 ファイナン…
DCFによる価値評価は、Cash flowと割引率からなる。事業計画の通りにCashを創出できないリスクをいかに反映させるかがポイントとなるが、原則、Cash Flowに感度分析をするなどして、そのリスクを反映させ、Cash Flowに反映できないものを、割引率を上げてバ…