負債コストの理論2
前回、負債コストは、企業の借入コスト(表面利回り)を使うが、理論的には期待利回りを使うべしと説明した。ではどうやって期待利回りを出すか。やり方は2つある。
1つ目は、企業の倒産リスクと清算配当に前提を置き、倒産リスクを推定し、期待リターンを出す。私は見たことないが、米国等ではData baseが整備されているらしい。
期待リターン=表面利回り-倒産コスト※
※倒産リスク=倒産確率×(1-清算配当)
2つ目は、以下の算式で算出する。(理論上、倒産リスクがのっていない)BBB格企業の表面利回りに、倒産リスクを上乗せするもの。倒産リスクは、債権のRisk Premiumが入手できないので、株式のMRPを代用。これに、投資適格債権とハイイールド債権のベータの差をかけることで、投資不適格債権の倒産リスクを算出する。
BBB格企業の表面利回り +(投資適格債権とハイイールド債権のベータの差)×MRP
繰り返しになるが、実務ではあんまり使わない。