M&A
通常の買収案件の流れは以下のとおり。(買い手目線) 1.NDA&ティザー入手 2.1次BID 3.DD 4.2次BID 5.Prefered bidder 、最終交渉 6.SPA締結 7.クロージング 次回以降、1つ1つ説明します。
米国では、シェアが低い同士の合併であっても、クロージングの前から単一の企業体のように行動し、競争を阻害する行為を行った場合を禁止される。これをガンジャンピングという。日本語でいうフライング。 大きいDealならともかく、世の中の競争に影響がない…
総合商社が、新規設立、買収に係わらず、広く世界で事業展開しているパートナーと合弁事業をやる場合、海外の競争法、特にEUと中国のFilingが必要となる場合がある。買収の担当者は、常にこのポイントを意識して、弁護士に独禁法の届出の要否を確認する必要…
Condition Precedent(前提条件)に入っているだけでは、その結果を達成する義務は発生しない。例えば、許認可取得が前提条件に入っている場合、Sellerがクロージングしたくなければ、許認可を取得せず、放置してもよい。もし、これを義務化したければ、Cove…
表明保証に「買主が知っていたことについては表明保証を問えない」との文言が入ることがある。これは表明保証違反を買主が請求した時、売主が「DDしたんだから、しってたはずだろ」とごねるのに利用されるので、注意が必要。実際に表明保証違反を問えなかっ…
表明保証では、保証内容が知る限り(actual knowledge)と知り得る限り(constructive knowledge)があるが実はこの差は大きい。なぜなら、知る限りの場合、BuyerはSellerが知っていたことを証明しなくてはならないから。知り得る限りなら、役職に応じて知って…
表明保証はSellerが一定の事実をbuyerに保証するもの。“客観”事実の保証である点が評価に左右される性能を保証する瑕疵担保責任とは異なる。 Sellerとしてのポイントは、知らないこと、確証の持てないこと、自分でコントロールできないは保証しないこと。事…
Due Diligence(DD)の際に弁護士、会計士がSellerに開示を要求するリストを作成するが、通常100項目以上に亘る。これを見たBさんは、「こんなのSellerに出したら怒ってしまうよ、大体数が多すぎるし、会計士と弁護士のリストは重複してるし、且つ、メーカーで…
M&Aをやっていると、Sellerは当然高値で売りたい為、事業計画等をお化粧してBuyerに出すことになる。 これを「香水をつけた豚」とか言ったりする。基本的な手口は以下の通り。(下にいくほど見破るのが難しい) 1.将来の成長を過大(楽観的に)に見せる。 …
投資の儲け方は以下の4つしかない。事業投資をやる際に自分はどこで儲けようとしているのか、頭の整理が必要。 1.安く買って高く売る 企業買収をする際に本来価値に対して安く買う。(現金化を急いでいる売り手の足下をみて買いたたく等)and/or 売り際に…
うちの若手Aの質問「Sellerは金持ちで、表明保証してくれるのに、どうして会計士・弁護士雇って手間暇かけてDDやらないといけないのですか?」 自分で考えろと蹴りを入れる代わりに、丁寧に説明すると、 1.表明保証違反は実際に払ってくれるかわからない。…
M&Aの支払いは当然cash on delivery、つまり、現金と引き換えに株券を渡す。 実際の実務は以下の通り。 銀行や弁護士の事務所に朝8時に集合。Sellerは株券の現物を持参。(金庫から引き出し、且つ株券が大量のこともあり大変。因みに紛失に備えた保険もある …