MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

M&Aでよく聞く “香水をつけた豚”って何?

 

M&Aをやっていると、Sellerは当然高値で売りたい為、事業計画等をお化粧してBuyerに出すことになる。 これを「香水をつけた豚」とか言ったりする。基本的な手口は以下の通り。(下にいくほど見破るのが難しい)

  

  1.将来の成長を過大(楽観的に)に見せる。

  2.毎年かかる費用を一過性として処理してベースの収益を高く見せる。

  3.直近決算期を押し込み販売したら、費用や投資を切りつめたりして、実態よりもよく見せる。(当然、その反動は買収後に出る)

 

   1と2はDDをしっかりやれば見つけられないことはないが、3は外にいる人間だとなかなか見つけづらく、過去決算との整合性をみるしかない。

 

  あと、有効なのは、経営者が買収後もそのまま残る場合は、給料に予算達成のインセンティブをつけることが多いが、当然実態よりも高い実績をベースにした予算を誰も背負いたくないので、売ったらさよならのSellerとは異なり、経営者は正直に話をしてくれることがある。もっともSellerも売却代金にひもつけて経営者にインセンティブを払うこともあり、結局各人が何を考えているか、利害関係をよく整理してDealをやる必要がある。