MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

ブルーオーシャン戦略

橘玲さんの記事で、ブルーオーシャンとニッチの違いについて、説明がありなるほどと思ったのでシェアします。

要は、ブルーオーシャンは、ライバルのいない巨大市場を意味し、一方、強力なライバルのいないところでそこそこ成功するのがニッチ戦略とのこと。橘玲さん曰く、巨大市場があるゆえに、それに気が付いたライバルがすぐに参入するのですぐにレッドオーシャンになってしまう、相手が大手なら容易に勝てない、一方、ニッチはずっと小さく勝ち続けられると。 

もっとも、ブルーオーシャンブルーオーシャンであるうちに、GAFAのように圧倒的なポジションを作り上げ、レッドオーションになっても勝てる環境をすくるというのが、大事なんでしょう。

ブルーオーシャンは、MBAの授業でブルーオーシャンを生み出したINSEAD出身の教授がシルクドソレイユのケースを使って説明してくれたが、ニッチとの差がわからず、一方、ブルーオーシャンという用語はとてもいいWordingでだからこれだけ受けているのかなと勝手に思ってましたが、自分のなかで整理がついてよかったです。

 

 

英語とAI

この数年、AIが発達すると英語を勉強しなくてよくなるのではという問いをずっと考えてました。MBA受験であれだけ時間をつかい、息子も海外で英語で苦労している日々、これまでの努力は無駄だったんだろうかと。

 

ところが、友人と会話しているときに、AIって結局、算数と電卓の関係なんじゃん?と。確かに、電卓があれば算数を勉強しなくていいかというとそうではないのと同じで、AIで自動翻訳があっても英語の勉強は必要と。

 

サンクコストが大きすぎでそう信じたいだけかもしれませんが、なるほどと思ったので書きました。

 

UBERのカリーム買収

前回のデサントM&AのEthic的なことに言及しましたが、もう一つ。UBERが中東でシェア争いしているカリームを$31Bで買収したという記事が出ていました。

 

UBERからすると、中東で高いシェアを持っている同業を買収し、同市場をDominateしたいということでしょうし、カリームからするときっとたんまりプレミアムをもらったんでしょう。ということで、売り手も買い手もmake moneyできるいい取引と言えそうです。

一方、消費者目線でいうとどうでしょうか? 結局、UBERとカリームがくっつくことにより、Availableなサービスが減るわけです。従い、料金が将来的にあがり、それがUBERの払ったプレミアムの原資になるのかなと思います。

 

前、出版社がブックオフを買ったときにも思いましたが、顧客視点でどうなの?って思ったりします。

デサント 伊藤忠によるTOB

最近忙しく少し遅くなりましたが、伊藤忠さんのデサントTOBが成立しましたね。ドンキの時と違い、今回は通常TOBの相場30%のところ、50%のプレミアムを払うとのことで、伊藤忠さんの気合が感じられますね。

 

少し思うのは、今回のTOBはわずか10%弱を買い増し、議決権を40%にするというもので、もちろん上場会社で少数株主がいるので40%でも実権は握れるのでしょうが、一方、教科書的な支配権の過半数は取らなかった点です。

 

この40%はいろんな味方ができて、伊藤忠さんからすると、あえて過半数を取らずに、現経営陣と対話しながら、経営を続けていくということではないかと推察します。しかしながら、今回は敵対的買収で、現経営陣が退陣したりすると、40%しかないのに、社長は送るは、伊藤忠本体と取引するわということで、わずか10%のTOBで実権を取ってしまうようにも見えます。

 

今回、応募株数が買い付けを上回り、全株を売却できなかった一般株主が多数いると考えると、100%子会社化して非上場化してよと言いたくなるかもしれません。

お勧め書籍 インフラ・プロファイ

商社・銀行でプロファイやインフラ・資源案件に携わったら、以下の2冊が圧倒的にいいので、お勧めします。全社がプロファイ全般(主にチェックポイント)、後者がプロジェクトファイナンス契約の解説書です。二冊ともに辞書見たな無味乾燥の本ですが、プロファイ案件に必要な知識がきちんと書いてあります。眠たくなることは必至ですが、そもそも、プロファイ自体は膨大、且つ複雑なチェックポイントをひとつひとつ虱潰しする仕事なので、この本で挫折するようでは話になりません。 所詮日本語の数百ページの本です。インフラ案件を担当したら英文で5000ページぐらいは普通に読まないと務まらない世界なので。

 

・プロジェクトファイナンスの理論と実務【第2版】 単行本 エドワード・イェスコム

・最新シンジケート・ローン契約書作成マニュアル〈第3版〉 単行本 – 坂井豊

 

 

 

野村・カーライルによるオリオンビール買収 2

前回の続きで、ではなぜ24倍も払えるのか。この秘密はLBOにあります。この会社は自己資本比率80%とのことなので、売掛金・買掛金があることを考えると、おそらく無借金でしょう。従って、LBOが使いやすい。

 

・現状

純利益23億円÷(1-税率30%)≒EBITDA33

EBITDA 33 ×Multiple 17(逆算) =EV 570

Debt 0  MV570

 

・買収時

Equity 370 + NRL= 買収 200     ※NRL:EBITDAの6倍と仮定

 

・EXIT時(5年後)

EBITDA 33 ×Multiple 21(競合PER15÷(1-税率0.3) =EV 693

Debt 0(5年間で返済。少し残るかもですが) MV693-370=323のキャッシュリターン

 

この全体ではEBITDAを横ばいにしてますが、実際は40とか50とかの計画になっているはずなので実現するともっとmake moneyするでしょう。 やはりLBOでレバーを利かすメリットが出やすい案件ですね。

 

野村・カーライルによるオリオンビール買収 1

野村・カーライルがオリオンビールを買収したとの記事が出ています。

報道によれば、買収金額は570億円とのことで、2018/3期の純利益は23億円なので、

PERは24倍。キリンやアサヒが15倍なので、コントロールプレミアムを加味しても、値段は割高に気がします。

 

カーライルが持つ海外ネットワークを駆使して、海外市場を開拓するのがシナジーとのことですが、投資ファンドの場合、商社のように売り子を社内で抱えているわけじゃなので、まぁ、そんなに簡単じゃわけじゃないと思います。ただし、日本の沖縄以外、海外のシェアはとても小さいので、ここのポテンシャルをみるのは面白いとおもいました。

因みに同社の純資産が500億円(自己資本比率80%)でPBRで見れば割高ではないとの記事もありますが、PEファンドは純資産のマルチプルを見て、Dealをするわけじゃないので、これは少し違うかなと思います。