MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

善管注意義務・東芝のケース

善管注意義務東芝のケースで考える。

 

ご存知、東芝の不正会計であるが、前回の内容から以下がポイントになると思われる。

  

取締役が直接不正会計を指示したとなれば、直接違法行為となり、アウト。チャレンジいう名の、達成不可能な予算(不可能かどうかが論点)も間接的な違法行為ということになる。

 

あとは、損失隠しで、取締役会等の報告義務違反や、あと不正会計を防止する体制が十分でなかったという点も問われるかもしれない。

 (法律の素人ないので、正しくないかもしれません)

 

取締役の善管注意義務とは何か?

 まず、善良の意味は専ら会社の利益の為権限を行使することを意味する。当たり前だが、私的な利益のために取締役は働いてはいけない。しかも”専ら”がポイント。

  次に管理者としての注意義務は、経営判断の合理性と監督義務の2つ。

  経営判断の合理性については、事業の失敗で善管注意義務を問われたのでは誰も取締役なんて怖くてできなくなる。よって、責任を問われるのは、通常の注意義務を尽くせば発見できる誤りがある場合に限る。要は「めくらばん」はダメとういこと。商社の大型減損も誰も訴えられてないのは、これが理由。この他経営判断の合理性には手続き違反がないか(例:本来取締役会決議が必要なのに、手続きが取られてない。)、或いは、違法行為がないかという点。

 

監督義務にも2種類あり、直接監督責任と内部統制の不備があり、直接監督責任は、報告を受けていたのにもかかわらず何もしなかった、あるいは、見て見ぬふりをした。後者は、きちんとした社内の管理体制を整備しなかった。(デリバティブをやっていたのに、ポジション管理を導入してない等)

商社の新人はいつになったら一人前になるか?

私の部下の新人に、「商社に入ったら、バリバリ海外出張して、大きな買収やるのをイメージしてたのに、入社してから、研修ばかりで、ほとんどまともな仕事をさせてもらえない。」とクレームされた。

流石が現代の新人、ある意味意識が高いなと思いつつ、私の答えは、「いいけど、逆に何がいまできるの? せめて、ファイナンス、会計、税務、JVA、SPA等々の知識があれば、いつでもプロジェクトに入れてやるぞ。でも君は給料をもらう立場。学校じゃないんだから、勉強のために無理に土俵に立たすことはしない。まずは自分で努力してスタートラインに立つこと。各分野の厚い本を4,5冊読みなさい。」と冷たい回答をした。

今の商社の業務って、求められる知識量が半端なくて、毎日2時間、仕事以外に勉強しても、早い人で5年、普通の人で10年ぐらいは、一通りの知識を身に着けるのに時間がかかる。(そして、いつまでもやらない人は、30、40歳になってもスタートラインに立てない)。更にヘッドとしてプロジェクトを回せるようになるのに、もう10年といった感じ。

ということで、登る山は高いということを覚悟して、倦まず弛まず、日々努力が必要ということです。短期間で身につくものは短期間で廃れるのだ。因みに、スタートラインに立てた人には、年次に関係なく、どしどし仕事をやらせてくれるのも、商社のいいところです。是非、志の高い人に入社して欲しい。

 

 

商社は激務か?

人にもよるし、部署にもよるが、一般的にはそれほどでもないとうことになると思います。特にコンサルや投資銀行に比べれば。

私が若いころは、本当に激務で、当時は寮に住んでいたが、夜11時前に寮にいる人はほとんどまれで、みんなwork hard play hardで、よくもまぁ倒れないなと思っていたが、最近はそうでもない。

理由は、トレードから事業投資に仕事内容が変化したから。これって実は大きくて、トレードってある意味メーカーにとっての業者で、まぁ、簡単に言うと使い倒される立場で、クレーム対応だったり、海外出張のアテンドだったりでどうしても激務になる。一方、事業投資は、Dealをやるときは流石に忙しいが、とはいえ、業者を使う立場だし、Dealがないときは市場調査だったり、買った会社のモニタリングだったりするので、時間がコントロールしやすい。よって、年に数回忙しい時期はあるものの、平均するとそうでもない。

加えて、会社の意識も、生産性やワークライフバランス等に向いてきて、残業をよしとしない文化もでてきたのもあると思う。

ということで、今の商社は時給単価でみると、なかなかいいのではないか。

 

 

 

 

 

コーポレートガバナンスの意味

 

  コーポレートガバナンスというと分かりづらいが、経営の効率性を担保することが目的であり、その定義を一言で言うとダメな経営者をクビにする仕組みということになる。  

 

といことでいくら社外取締役とか指名委員会とかあっても 実態面でその社長をクビにできないと意味がない。  あの社長

やめないなーなんて思う会社は結構ある

 

MBAの学生は優秀か?

答えは頭がいい人もいる。私の学校では、やはり欧州のコンサルの社費で来ている学生はびっくりするぐらい優秀だった。一方、普通、たまにはアホもいるので、必ずしも優秀とは言えないものの、感じたのは私が勤める総合商社よりも私の通ったビジネススクールの方が平均して賢いとの印象だった。

  

一方、行く前はきっと優秀なんだろうと思っていた、東大卒、MBA、コンサルみたいな経歴の人も、深く付き合ってみると、実は意外の普通(全然すごくない)で自分と変わらないということも分かり、その意味では、肩書にびびらなくなるものMBAのメリットかなと思ったりする。(戦コンの作った資料を有り難がっている上司にひいたりする)?

おっさんmba

以前は、MBAに行くなら社会人経験5年ぐらいした28歳で行くことをお勧めしたが、私自身は33歳でMBAに行った。以下、良く聞かれる質問に答える。

 

・みんな若いのに浮かないか?

   答えは、全然浮かない。まず、日本人は見た目が若く見えるのでOr 外国人が老けて見える)、外見的にそんなに目立たない(重要!)。また、人種も違うし、海外というロケーションもあり、そもそも年齢をみんな気にせず、タメ口で会話する。というので、全然問題ない。

 

   因みに、私の学校には神童がいて、飛び級で18歳から働いている22歳の子がいた。そんな同級生もいるが、随分年齢は違うものの、その子は大分とがった若者だったので、話していて楽しかった。

  

   但し、実際深い話をするとなると、28歳等の若者とは少しGapがあるのは事実。クラブでいっしょにはしゃげるかというとそんなこともない。一方、欧州の学校であれば、30歳を超えた外国人はそこそこいるので、友達には不自由しないかなと言うレベル。私も、数名MBAで生涯の友を得た。  

 

 

 ・ディスカッションのレベルに低さは感じないか。

   商社でそれなりに経験を積むと、授業の議論のレベルは低いと感じることもあるのは事実。(会社で10年戦士と5年目でレベルに差があるのと同じ)

   一方、MBAは英語の授業なので、リスニングに必死だったり、自分の発言に必死だったりするので、結果的には質の低さはそこまで気にならない。(これが国内MBAならきついだろうなといつも思っていました)

 

   ということで、MBA自体は35歳でも満足できるというのが私の個人的な意見です。就職については、私は知見がないので、コメントを差し控えます