MBA x 総合商社道場

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借入水準を見る指標 その3(インタレストカバレッジレシオ)

以前紹介した通り、インタレストカバレッジレシオは、営業利益を支払金利で割ったもの。財務分析は第三者の決算書を評価することがメインであり、情報のAvailabilityに限界があるので、これしかできないとも言えるものの、本来であれば、以下のアプローチで分析したい。

まず、指摘したいのは、営業利益ではなく、フリーキャッシュフロー(FCF)で評価すること。FCFは営業利益から税金を引き、税後営業利益にしたあと、運転資金の増減(-)、Capex(ー)、減価償却(+)を調整したもの。実際の資金繰りは会計データよりCashベースで考えるべき。

次にFCFの安定性を見なくてはならない。借入は何年かにわたって返済するものであり、よって単年のFCFではなく、ある程度複数年で見て、最低限これだけは稼げそうだというFCFで借入水準を判断すべき。

最後に、インタレストカバレッジレシオ金利だけなので、本来元本返済も見なくてはならない。この観点ではプロファイで使うDSCR(Debt Service Coverage Ratio)が良いと思う。FCFをDebt (その年に返済する元本)、Service(金利)の合計で割ったもの。これが1倍なら余裕なし、2倍ならFCFが半分になっても、Debt Serviceが支払える。元本も考え要るためこちらの方が優れていると思う。

しかしながら、Termローンのように期日一括返済ならこれは使えないし、もっというと、上場会社じゃないと借入の中身(更に上場会社でも返済スケジュールまでは分からない)ので、いつも使えるわけじゃないのが欠点。