MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

大塚家具 株価

 

今話題の大塚家具の株価の分析をします。

 

時価総額は83億円(2018/8/7時点)。

2017/12期の決算は、以下の通り。

現金 18億円

総借入 0億円

自己資本 176億円

総資産 291億円

売上高  410億円 (cf 2015年度 580億円)

粗利益  209億円 (同 308億円)

販管費  260億円  (同 303億円)

営業利益 -51億円 (同 5億円)

減価償却 1億円

EBITDA -50億円

 

1. PBR

まず、時価総額は83億円しかないので、自己資本の約半分。

理論上は、会社清算して配当したら、株価の倍のCashが得られます。

投資家が同社の収益性がいかにないと見ている証左でしょう。

 

2.EBITDA倍率

おさらいですが、EBITDA×マルチプル=EV この会社は借入れがないので、

Net Debtが-18億円。従い、EVは101億円。 そんなに成長しない業態なので、

倍率はざっくり5倍おくと、EBITDAは約20億円程度が欲しい計算になります。

現状、EBITDAはー50億円なので、70億円の収益改善が必要。販管費は200億円

なので、コストカットでこの問題を解決するのは難しく、本質的には売上と粗利益が

必要となります。こうなるとファンドも手は出しつづらいし、名前が挙がっている

貸し会議室の会社とか家電の量販店ではとてもTurn aroundは難しいかと。

んー、なかなか難しいステージに入ってきています。

公認会計士

経営者目線で言うとおっしゃるとおりで、ルールに基づきハンコ押すだけで、何の付加価値もないということになるのは理解できるが、会計士は株主のためにwatch dogするのが仕事でしょと私は思う。会社の不正を見抜く目は、AIじゃ代替できないと思うし。

柳井さんの期待はむしろCFOの役割でしょう。

 

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マルチプルとDCF

Valuationをするときに大事なのは、数字の意味を考えるということ。

たとえば、本を見ながらエクセルをつくり、DCFで100億円と算出する。一方、EBITDAマルチプルでも、これも株価をひっぱってきて、60億円と評価する。そして、今回の買い物は、80億円だからレンジに入ってますという。

 

でもこれではダメ。大事なのは上記の例でいえば、じゃーなんでDCFとマルチプルで40億円も評価が違うのかを考えないとダメ。TV算出の際に使う永久成長率が高すぎとか、マルチプルの算出にしようした株価が異常値を使っていたとか。こういったことを考えると数字の間違い気がついたり、適性価格が何かが分かるようになったりする。

電卓、エクセル叩いて、計算したらこうなります。「なんで、DCFとマルチプルに差があるんでしょうね?」とか言っているようではだめです。

 

 

 

Deadlock solution /status quo

折半出資のJVでは、Deadlock solutionが問題となる。Majorityがはっきりしている会社であれば、Majorityの会社がMinorityの会社の株を買い上げて、Deadlockを解消すればいいだが、折半出資の場合はそうもいかない。そこで、Status quoつまり、徹底的に話をし、合意に至らなければ、否決して終わり。従い、何らアクションを起こさず、現状維持になる。

一方、現状維持で問題なければいいのだが、例えば、赤字会社で資金が足りない場合は、当然ながらアクションを起こさないといけない。増資や借入れにはVetoを行使したのでは、会社が回らないので。従い、この場合は、会社を清算することにする。もし一方が継続したい場合は、他方の株を買うという内容にする。

書評:国家情報戦略

私の好きな佐藤優のインテリジェンスに関する本。元韓国海軍少佐の高永喆の対談。

面白かったのは、

・戦時中朴大統領は関東軍に属しており、当時の上司だった瀬島氏に助言を得ており、韓国の発展に寄与したとのこと。「韓国人はよ恨の民族といわれますが、受けた恩は消して忘れない。公の場では大声で口にはしないものの、現在の韓国の繁栄が日本の助言と協力によってもらたされたことを多くの韓国人が認めているし、感謝している。」

北朝鮮のインテリジェンスは、戦前の陸軍中野学校のパクリとのこと。その他諜略は誠なり等の中野学校の精神等の記載も面白かった。

・高永喆氏が日本の総合商社の情報力を高く評価していたのは、商社人としては興味深い。

・5割から9割に上げる努力と、9割を9割5分に上げる努力は同じ。「限界効用」

パラパラ、読む本としては面白かったです。

 

入札案件の流れ その4

今日は、5.Prefered bidder 、最終交渉、6.SPA締結、7.クロージング を説明します。2次Bidで最終価格とSPAのマークアップの札を入れると、ようやく1社に絞り込まれ、2週間ほどの独占交渉権を与えられ、SPA等最終交渉を行います。ここで、合意できればSPAの締結、クロージングとなり、漸く取引成立になります。逆に、2次Bidで

落ちた先は、数千万円以上のDD費用と社内手続き等の膨大な手間が一瞬で無駄になります。やっぱり買えるんであれば相対が一番です。

入札案件の流れ その3

今日は、3.DD、4.2次BIDについて。

1次Bidを通過した数社にはData roomにて資料が開示されDDに入ります。その後マネジメントインタビューやサイトビジットの機会も通常得られます。買う側はいいですが、売り側は、数社のDDの相手をしなくてはいけないので、多忙を極めます。DDと並行して、買い手からはSPAが提示され、買い手はそのSPAにマークアップを入れます。2次Bidでは、買収価格とSPAのマークアップを提示します。2次BidはBindingの場合が多いですが、Non-bindingの場合でも入札後の提示価格の変更は実質的にあまりないので、社内手続きを経るのが通常です。