MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

英語ができなくても総合商社に入れるか?

これも答えはYES。私も入社するときは、恥ずかしながらTOEIC600点弱だったし。

もちろん、できた方が有利だと思うが、Mustではない。

 

「英語ができる=仕事ができる」ではないのでMUSTにする必要がないし、面接官も大半が帰国子女ではなく、英語に苦労しているので、入社してからがんばればなんとかなるさと思っている。

 

もっとも、海外ビジネス比率が高いので、入社して2,3年経てば当然英語ができないは通用しないし、英文の契約書なんて、インフラ案件では1,000ページは普通に超えるので、そういう環境で働く覚悟は必要ですが。

MARCHでも総合商社に入れるか?

答えはYES。少ないけど、普通にいます。私自身もマイナー大学の出身だし。あと帰国子女でも体育会でなくても、普通の学生も普通に入社してます。

私も1次面接の面接官をやっているが、会社から学歴について特に指示はないし、採用するつもりがあるから、そもそも面接に来てもらっているので、学歴に関係なく、魅力があれば2次に進んでもらっている。

じゃー、なんで少ないかというと、これはうちの会社の話ではなく、大学の友達で証券会社の友人で人事のやつが言っていたが、結局、学歴と準備に相関がかなり高いらしい。簡単にいると、いい大学ほど、有名企業に勤めているサークルの先輩等からの情報も多いのか、早くから、そして一生懸命努力するので、いい結果が出る。筆記試験も中身を見れば頭の良さを問うものではなく、準備すればできるテストだが、学歴によって如実に結果が違うらしい。但し、逆にいえば、準備さえしっかりやれば、同じ土俵に立てるということ。是非、気合入れて頑張ってほしい。

 

商社に学閥はあるのか?

私の会社は、既に20年近く勤めるが、学閥を一切感じたことない。もっと上にいけば、あるのかもしれないが、他社を見ても過去横浜国大、小樽商科大、MARCH出身の役員もいたりするからやっぱり関係ないのだろう。

学閥よりあるのが、部門閥。あの人は鉄出身、インフラ出身等頻繁に会話に出てくるし、帰属意識も非常に強いので、どの部署出身かは非常に出世とリンクする。その意味では配属がかなり大事になる。 新卒で商社に入るリスクの一つでしょう。最も、最近は部門を跨いだ異動も可能なので、実力があればどうにもなりますが。

TagとDrag

前回譲渡制限の話をしたが、Tag alongというものがある。これはパートナーが第三者に譲渡するとき、同条件で自分の持ち分も売ってもらう権利。合弁事業をやると、パートナーがいないと成り立たない事業というものがある。(商社とメーカーでモノ作りはパートナーしかできない等のケース)この場合、基本譲渡制限の話をするが、まとまらない場合は、売ってもいいけど、僕のもいっしょに売ってねということでTag alongをもらう。

これを要求するともれなく、パートナーからDrag alongを要求される。これは、パートナーが第三者に譲渡する際、同条件で自分の株を買い取られる権利。第三者からすれば、よくわからない株主がいるのは嫌がるはずなので、100%の方が売りやすいということで、この権利が要求してくる。Dragは自分で売却価格をコントロールできないので、フロアーをつけたりする。

 

株式の譲渡制限

合弁契約書では株式譲渡に関して、様々な制限がかかる。一定期間売れない、Lock upや、譲渡する際に相手方の同意がMustになっている契約もある。こういう場合、パートナーにも逃げられないが、こちらも逃げられない仕組みで、これはこれでExitがしづらい。

よって、よくあるのはROFO(Right of first offer)やROFR(Right of first refusal )であり、前者は、第三者に譲渡する前に、一定期間パートナーと交渉するもの。交渉がまとまなければ、第三者に自由に売れるというものもあれば、ROFOのパートナーの提示価格の1.2倍以上の価格なら売れるみたいな契約もある。ROFRは、First refusal rightともいわれるが、第三者と交渉がまとまった後、パートナーにマッチアップ権、つまり同じ値段で買える権利が発生する。(当然第三者からすれば、折角DDまでしてSPAまでこぎつけたのに、パートナーにDealを持っていれることになる)

ROFOもROFRも譲渡制限であるが、両方ともパートナーに一定の手続きをすれば、譲渡可能な契約ともいえる。

配当にかかる税金

投資家のリターンは、配当とキャピタルゲインであるが、それぞれに税金がかかる。海外投資であれば、例えば、現地で源泉税、国内で所得税がかかったりするが、Valuationをする際は、あくまで対象会社のAvailabile cashベースであり、投資家が払う税金は考慮しない。

これは、投資家によって税金が違うことから、配当に対する税金は考慮しなことになっている。例えば、日本と投資対象国は租税条約があり税の優遇があるがB国はないとか、投資家Bは去年大赤字で当面税金を払わなくていいTax positionにあるとか。

また、ValuationはCAMPをベースにしており、あくまで調達コスト(投資家の期待リターン)であるということもある。

では、実際に投資判断をする際、税金を気にしなくていいかというとそんなことは当然ない。あるいみ、税金は最大のコストなのだから。

借入水準を見る指標 その3(インタレストカバレッジレシオ)

以前紹介した通り、インタレストカバレッジレシオは、営業利益を支払金利で割ったもの。財務分析は第三者の決算書を評価することがメインであり、情報のAvailabilityに限界があるので、これしかできないとも言えるものの、本来であれば、以下のアプローチで分析したい。

まず、指摘したいのは、営業利益ではなく、フリーキャッシュフロー(FCF)で評価すること。FCFは営業利益から税金を引き、税後営業利益にしたあと、運転資金の増減(-)、Capex(ー)、減価償却(+)を調整したもの。実際の資金繰りは会計データよりCashベースで考えるべき。

次にFCFの安定性を見なくてはならない。借入は何年かにわたって返済するものであり、よって単年のFCFではなく、ある程度複数年で見て、最低限これだけは稼げそうだというFCFで借入水準を判断すべき。

最後に、インタレストカバレッジレシオ金利だけなので、本来元本返済も見なくてはならない。この観点ではプロファイで使うDSCR(Debt Service Coverage Ratio)が良いと思う。FCFをDebt (その年に返済する元本)、Service(金利)の合計で割ったもの。これが1倍なら余裕なし、2倍ならFCFが半分になっても、Debt Serviceが支払える。元本も考え要るためこちらの方が優れていると思う。

しかしながら、Termローンのように期日一括返済ならこれは使えないし、もっというと、上場会社じゃないと借入の中身(更に上場会社でも返済スケジュールまでは分からない)ので、いつも使えるわけじゃないのが欠点。