MBA x 総合商社道場

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βの基礎知識/DCF

 

まず資本コストは、次の算式によって求められる。「資本コスト=リスクフリーレート+ベータ×リスクプレミアム」

 

Β(ベータ)とは、株式市場が1%変化したときに、対象の株式のリターンが何%変化するかを表す係数。例えば、TOPIXのリターンがある期間に10%上昇した際に、同じ期間に個別銘柄のリターンが5%上昇した場合、その銘柄のβは0.5になる。

 

上記の数式から分かる通り、個別銘柄へのリスク(それに対する期待リターン)はβで調整する仕組みであることから、βはValuationの肝になるもので、極めて重要。

 

食品や公共事業は景気にあまり関係ないため、株式市場全体が動いても、株主は安定したリターンを得られるし、株価も安定している。よって、βは0.5とかになる(つまり、株式市場全体の半分のプレミアムでいい)。他方、一般に業績の変動が大きいTech系の会社は1.2とか1.5とβは高い傾向になる。(ボラが高い分、高いリターンを期待する) 教科書的に言うと、食品等銘柄は、市場全体の下落時に強く、ポートフォリオの分散に寄与することから、プレミアムを支払ってもいいと考えられることから、期待するリターンは低くなるという説明。