流動性Discount/Valuation
流動性の低い株式(つまり買い手があまりいない)は、株式売却が困難である為、安い値段で取引されることが多くなる。これを流動性ディスカウントといいます。
マルチプルにしろ、DCFにしろ、株式の売買が容易な上場株式のデータに基づく評価手法であることから、非上場株式の場合、算出した株式価値に20-30%のディスカウントをする。例えば、DCFにより算出した株式価値が100億円の場合、100×(1-30%)=70億円という評価になる。
なぜ、20-30%かというと、いろんな学者がそういう統計をとった結果そうなったから。(実務家は細かいことを気にしない。業界のpracticeとして20-30%なのだ)
実務上は、必ずしも非上場株式に流動性ディスカウントを見ているわけではないし、投資銀行によっても見たり見なかったりと、結局価格の調整弁として使われている印象。(もっとも30%は相当大きいインパクト)
私の個人の経験で言うと、買収するときにしれっと30%ディスカウントをいれて、売り手のフランス人はそうだよなということで何の抗弁もなくこちらの主張が通ったこともあるし、一方、売り手の立場のときは、買い手から30%ディスカウントを主張され、「この会社の株式を買いたい奴はたくさんいる。何が非流動性だ。」といい、一蹴したこともある。