peと商社の違い その7
第7回は案件の評価方法。
PE:IRR
商社:PL(とIRR)
個人的には、この違いがもっとも、PEと商社のもっとも大きい違いであるように思う。
PEは徹頭徹尾でIRR。投資家にコミットしたIRRをいかに達成するかが、案件評価のすべてになります。分かりやすい。
一方、商社はもちろん入口ではIRRで案件の選別をするし、NPVやDCF等の基本的な投資評価アプローチをするものの、PEとは違い上場会社なので、PLも意識しながら、案件の評価をしなくてはならない。
もはや投資会社の総合商社だが、新聞には「○○商事、今期の純利益は○億円」と出るし、経営者の成績表も毎期の予算(=PL)でつくわけなので、どうしても、益出しのための案件EXITとか、逆に案件の売り時であっても、持分利益を継続して得るために、
継続保有をしたりします。(要はIRRの観点からは非合理的判断)
商社の人間は、常にIRRとPLの2つの、ときには相反する評価軸に振り回されるわけで、その点IRRのみのPEの方が分かりやすくていいなと思ったりします。
この点、証券会社の勤務のMBAの同級生に相談したら、「上場している限りはPLはついてまわる。非上場の商社なんてありえない。あきらめてください」
と言ってました。。。