MBA x 総合商社道場

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戦略論 業界の定義 どこまでが同じ業界か?

5Forces、3C、SWOT等の業界分析を行う際に大事なことは、適切に業界を定義することである。単純に製品(自動車、時計)=業界ではない。

  

業界分析を行う際の業界の定義は“「互いに代替可能な製品をつくっている会社の集団」”となる。この代替可能性は需要と供給の両面から考える。

 

需要、つまり顧客にとって、ポルシェとカローラは代替物か。普通に考えて、顧客はポルシェとフェラーリを迷ってもカローラは買わない。よって、需要面から見ると、高級自動車を業界と見ればいい。

  

一方、供給については、トヨタがレクサスで成功したように製造する上で、大衆車と高級車に垣根はない。もっというと、軽自動車、トラックも基本的には製造できる。よって、供給面でいうと、ポルシェは、大衆車、トラック、軽自動車と代替できる。

 

因みに地域で考えるとどうだろう。需要(顧客)は、基本的には他国で車を買うのは考えにくい(輸送費が高く、面倒)。では売るのはどうかというと、自動車メーカーは基本的には流通網を全世界でもっており、一番高く大量に売れる市場で車を売ることができる。

 

以上から、ポルシェの属している業界は、軽自動車、トラックを含む自動車、且つエリアを全世界で捉えるべきとなる。

 

とにかく、業界の境界はなくなりつつあり、代替可能性を軸に広く広く考えるのがコツである。