MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

FFOC


借入水準を見る指標として、代表的なものとして、有利子負債÷EBITDAがある。EBITDAは使いなれてるし、簡単に計算できるという意味で、使い勝手がいい。

一方、元本をあとどれだけで返せるかというと、EBITDAは文字通り、I(利息)、T(税金)前で、且つ、運転資金の増減、CAPEXが加味されておらず、企業の余剰現金とは異なる。よって、”あと何年で返せる”という意味では、FFOC(フリー・オペレーティングキャッシュフロー:営業キャッシュフローからCAPEXを引いたもの)が、上記のEBITDAに入ってないものなカバーされておりベターかなと思ったりする。

pe投資

商社が行う投資は、Equity投資なわけだが、Debtが直接金融(社債)と間接金融(銀行借入)に分類されるように、Equityも直接金融(上場)と間接金融(PE投資)に分類される。

 

PE投資の機能とか意義はどこにあるのだろか。

まず、当たり前の話になるが投資、つまりお金である。既存株主にとっては、流動性の低い非上場株式を売却することができる。また、LBOを使用することで、売却価格も上がり、プレミアムをEnjoyできるかも知れない。

 

次に、商社やファンドは色がない投資家であるということ。非上場株式を買うとしたら、通常は同業、つまりライバルとなる。これは株主は売っておしまいかもしれないが、経営者や従業員によっては受け入れがたい選択であろう。

また、商社の場合、PEのように100%買収に拘る必要はなく、たとえば、メーカーが海外に進出する際、Equityの半分を引き受ける、つまりファイナンス機能を果たすことになる。
メーカーにとっては、銀行+αの資金ソースとなる。
これも色がない投資家だから可能である。

 

最後に、本当かどうかは別にして、企業価値を高めることによって、投資先や社会に貢献できる。どう高めるかはまた別途説明。

 

以上がPE投資の意義と機能となる。

商社は海兵隊

商社は海兵隊になぞらえられる。そもそも海兵隊とは、いろいろな形態、歴史があるものの、ごく簡単に言えば、水陸両用作戦や上陸作戦の専門組織。海軍と陸軍のGapを埋める組織である。

商社のどこが海兵隊かというと、ビジネスのインキュベートする過程と上陸作戦が似ているといういうのだ。たとえば、海外企業が日本に進出、又はベンチャー企業からこれから発展するという段階においては、一般に人材も資金も不足しがちである。そこに、商社が抱える潤沢な金と人材とネットワーク(販売網を含む)を一気につっこみ立ち上げることで、ビジネスを大きく拡大、インキュベートすることができるのだ。

PE型投資が増えてきていると前提紹介したが、こういったGreen field投資は他業種ではまねできない、商社が得意とするところであり、個人的には本流の
投資だと思っている。

商社の投資

商社のオリジンはトレードであり、商社の投資もトレードから始まっている。

具体的には、取引維持のために、顧客の株式を一部保有したり、メーカーが海外に進出する際、現地の水先案内人として、一部出資したりするケースだ。

また、商社らしい投資としては、資源上流権益やインフラアセットへの投資に加え、三菱のKFCや住商のJCOMみたいに、商社が得意とするGreen fieldから事業を立ち上げるケースがある。

そして近年、三菱商事が”事業経営モデル”を掲げているように、出来上がった会社を買収し、深く経営に関与することで、企業価値を向上させ収益を上げる、プライベートエクイティ(PE型投資)のような投資が増えてきている。三菱のローソン、セルマック、伊藤忠のドール等はこれに当たる。次回以降、この商社のPE型投資について考察してみたい。

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日本人が多い学校

後輩からmbaの学校を選ぶ際、日本人が多い学校についてどう思うかを聞からたのでコメントします

 

やはり pros consあります。

欠点は想像の通り。日本人でつるんでしまう。これはどんなに意思が強くても不可避でしょう。大体、ファイナンスとか英語で理解するの大変だし、横の商社とか証券会社の人がいたら、日本語で聞いてしまうでしょう。あと、日々疲労している中、休みの日は日本語でゆっくり酒を飲みたいというのは人情。

 

良い点としては、日本人同士のネットワーキング。なんだかんだで、外国人とのコネを仕事で活かすのは難しいので、投資銀行とかコンサルとかに日本人の同級生の知り合いができるのは、仕事上強力なメリットになります。また、日本人が毎年それなりの人数がいれば、アルムナイネットワークも太く強くなります。たとえ同時期にいっしょじゃなくても、同じB-school似通ったという事実だけで、かなり近い関係になります。

 

トータル日本人が多い学校をお勧めします

選択と集中

選択と集中はよく聞くフレーズだが、個人的には時代遅れのような気がしている。


世の中は不確実であり、これに対応するには選択肢を広く持ち、コミットを遅らせるのが定石である。選択と集中によりコストを減らすよりも、企業の体力が持つ限りはできるだけたくさんのものをポートフォリオに持ち、ニッチからマスに移行するタイミングを持ち、そのタイミングで選択と集中をするべきと考える。

 

成熟産業ならまだしも、社内で戦略の話をする時なんとなく、選択と集中を言う人が周りに多いので疑問を呈してみました。もちろんどこに資源をはるかは戦略の要諦ですが、シャープがテレビ一本足打法であっという間に傾いたことを見れば、分散やむなしですよね