MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

お勧め書籍 インフラ・プロファイ

商社・銀行でプロファイやインフラ・資源案件に携わったら、以下の2冊が圧倒的にいいので、お勧めします。全社がプロファイ全般(主にチェックポイント)、後者がプロジェクトファイナンス契約の解説書です。二冊ともに辞書見たな無味乾燥の本ですが、プロファイ案件に必要な知識がきちんと書いてあります。眠たくなることは必至ですが、そもそも、プロファイ自体は膨大、且つ複雑なチェックポイントをひとつひとつ虱潰しする仕事なので、この本で挫折するようでは話になりません。 所詮日本語の数百ページの本です。インフラ案件を担当したら英文で5000ページぐらいは普通に読まないと務まらない世界なので。

 

・プロジェクトファイナンスの理論と実務【第2版】 単行本 エドワード・イェスコム

・最新シンジケート・ローン契約書作成マニュアル〈第3版〉 単行本 – 坂井豊

 

 

 

野村・カーライルによるオリオンビール買収 2

前回の続きで、ではなぜ24倍も払えるのか。この秘密はLBOにあります。この会社は自己資本比率80%とのことなので、売掛金・買掛金があることを考えると、おそらく無借金でしょう。従って、LBOが使いやすい。

 

・現状

純利益23億円÷(1-税率30%)≒EBITDA33

EBITDA 33 ×Multiple 17(逆算) =EV 570

Debt 0  MV570

 

・買収時

Equity 370 + NRL= 買収 200     ※NRL:EBITDAの6倍と仮定

 

・EXIT時(5年後)

EBITDA 33 ×Multiple 21(競合PER15÷(1-税率0.3) =EV 693

Debt 0(5年間で返済。少し残るかもですが) MV693-370=323のキャッシュリターン

 

この全体ではEBITDAを横ばいにしてますが、実際は40とか50とかの計画になっているはずなので実現するともっとmake moneyするでしょう。 やはりLBOでレバーを利かすメリットが出やすい案件ですね。

 

野村・カーライルによるオリオンビール買収 1

野村・カーライルがオリオンビールを買収したとの記事が出ています。

報道によれば、買収金額は570億円とのことで、2018/3期の純利益は23億円なので、

PERは24倍。キリンやアサヒが15倍なので、コントロールプレミアムを加味しても、値段は割高に気がします。

 

カーライルが持つ海外ネットワークを駆使して、海外市場を開拓するのがシナジーとのことですが、投資ファンドの場合、商社のように売り子を社内で抱えているわけじゃなので、まぁ、そんなに簡単じゃわけじゃないと思います。ただし、日本の沖縄以外、海外のシェアはとても小さいので、ここのポテンシャルをみるのは面白いとおもいました。

因みに同社の純資産が500億円(自己資本比率80%)でPBRで見れば割高ではないとの記事もありますが、PEファンドは純資産のマルチプルを見て、Dealをするわけじゃないので、これは少し違うかなと思います。

お勧め書籍 戦略本

戦略についてのお勧め書籍はロバート・M・グラントの現代戦略分析。あと楠木建さんのストーリーとしての競争戦略もわかりやすいと思う。

 

ポイントは、戦略本は、考え方のベースとなる考え方を入れるのが大事なので、私はグラントの教科書で世の中に普及しているフレームワークを学ぶのがいいと思う。逆に、戦略本に書かれている最低限の知識(フレームワーク)は必要なるも、本をいくら読んでもいい戦略がつくれるわけじゃないので、戦略本は1冊しっかりよんで、何冊も読むものじゃないありません。Waste of timeなので。

ドンキTOB

 

ファミマが目指していたドンキのTOBが不成立になったとのこと。20%取得を目指したが、6600円の買い付け価格で売り手が少なく、わずか0.2%になったとのことです。

 

TOB発表前が5500円なので、20%のプレミアムを乗せた感じでしたが、TOB発表直後値段が跳ね上がり、TOB期間中は7000円付近にはりついたので、まぁ、売り手には魅力がなかったのでしょう。

 

このDealを少し掘り下げてみましょう。

 

まず、おさらいですが、Fair Market Value(FMV)=株価ではありません。マーケットは、感情で動きますし、当然マクロ経済の動向次第で上下します。従って、FMVはモデル回してDCFではじかなくてはなりません。

 

これにファミマがドンキに20%出資することによって生まれるシナジーがアップサイドとして加わります。これが買い価格のベースです。つまり、今回はこれが6600円だったのでしょう。

一方、売り手は今持っている価格の売り時を考えます。TOBは今回でいうと20%、つまり5人に1人が今売るのが最善と思ってもらわないいけません。 従って、これがTOBで経験則で言われる30%、40%ぐらいはらうと、TOBが成立するということです。 少しのプレミアムだと、「まだまだ上がる、今は売り時じゃない」と思われてしまうということです。

 

大事なのは株価×1.3がTOB価格なのではなく、DCF+シナジーTOB価格です。この価格が株価×1.3を結果的に上回るということ。

 

以上、総括すると、外からなんとなく推測するのは、ファミマがドンキに出資してもシナジーはそこまで多くなくて、たっぷりプレミアムを払えなかったということであり、一方、無理に価格を上げず、踏みとどまったというところは流石だなとも思ったりします。

 

 

 

「早稲田、TOEIC900点でも内定なし 高学歴就活難民のリアル」 という記事について

以下の記事を読みました。

 

https://blogos.com/article/345829/

一言でいえば、高学歴の学生は自分が特別だと勘違いして、大して準備もせず、就職が決まらないと。そして、結びは「高学歴難民にならないようにするには、早く「自分は人並み」と気づくことが大切なのかもしれません。」あります。

でもこの記事に出てくる学生は、志望動機もまとも言えず、エントリーシートのインプットのみでやった気になっていたとのこと。 しかし、それは準備不足も甚だしいでしょう。

そもそも就活で学歴は足切りであり、有名企業の内定数÷有名大学の学生数を計算すれば、高学歴というだけで内定がでないのは小学生の算数ができればわかるはず。

一方、ポジティブな言い方すると、就活する学生は全員人並み。だって、特別だったらサラリーマンにならないでしょ。ということで、自己PR、志望動機、業界研究をすれば誰でも内定がもらえます。

 

 

期間毎にWACCを変える

この前、セグメント別WACCを説明しましたが、期間毎にWACCを変えるというのもあります。たとえば、ベンチャーで立ち上がりの5年だけ高いWACCを使ったり、インフラ案件で建設期間だけ高いWACCを使い、安定期に入ったら引くWACCに切り替えるといった具合。 WACCは常に1本ではありません。