MBA x 総合商社道場

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前田道路 敵対的TOB

前田道路が前田建設によるTOBに反対し、敵対的TOBに発展したようです。「当社の収益力は圧倒的に上回っている」とか「資本市場からの評価が乏しい企業によって経営される」とか言いたい放題です。日本もいよいよ米国のようになってきましたね。

ちょっと、調べたら、前田道路は前田建設に設立された子会社ではなく、元々独立の会社が資本提携し現在の形(現在の保有株式は25%弱)になっており、役員も1名を除き、社長含めプロパーの方なので、元々独立性が強い会社のようです。

ということで、前田建設の目線でいえば、全然言うことを聞かなかった関係会社の過半数を取り、主要ポジションに人を送り込み、親子間でシナジーを生み出すという絵であり、そのシナジーの表れが、TOB発表前の株価2500円弱に対して3950円という1.6倍の価格を付けたということでしょう。

前に触れた通り、通常TOBの場合のプレミアムは20-30%であり、60%は中々の水準。このレベルだと、ホワイトナイトとしては、ファンドは無理で、事業会社がメインになりますが、そうなると前田建設はダメで他のゼネコンならいいのかという話になる気もします。

 

あとは、自己株取得でしょうが、自分で買うだけなので、シナジーは当然なく、あとはTOBによるディスシナジーでどれだけ説明できるか。

 

いずれにせよ、前田道路の経営陣にとっては、難しい選択ですね。しかし、一人だけいる前田建設出身の役員は針の筵でしょう。