なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 失敗する理由
なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 私の答えは3つ。
1.PLが増える
今の会計ルール上、買収し20%以上の出資をすると被買収先のPLが連結決算上くっついてきます。従い、買えば買うだけ見た目上は増収増益になるので、成長を演出できます。(もちろん、買収資金見合いのDebt等が増え利払いも増えますが、通常買収先の取り込み利益の方が多いのでトータルは増)
なお、本質的には、被買収先のEVを増やさないと投資としてはもうけられません。
2.勝負事
入札は勝負事なので、やはり負けたくないという心理が働きます。また、M&Aは新聞にもでるので、話題性や達成感は抜群。値段が高いので見送るのは理論的には正しくとも、これは数をこなして初めてできるようになる(と個人的に思っている)ので、大変難しい行為です。
3.結果がでるのに時間がかかる
買収して減損になるのは、普通は5年ぐらいかかります。計画通りにいかなくとも、DCFはいじるところがたくさんあるので、のらりくらりしようと思えばできてしまうから。買収してすぐおとせというのも監査法人もいいにくいもの。従って、買収による称賛は自分、責任は他人(自分の後任)という図式ができあがります。もっとも、ウェスティングハウスぐらいひどい案件だと歴代経営者にさかのぼって犯人捜しは行われることがありますが。
ということで、一般にM&Aというのは成功確度が著しく低いにもかかわらず、みんなやりたがるのはこういう図式かなと。。。