商社の若手は理解してるか? 戦術と戦略の違い
まず、定義から。以下の通り。
・戦略(Strategy):目標達成のためのリソースの配置に係わる全体計画。長期。
・戦術(tactics): 個々の具体的な方法・手段。短期。
実はこの線引きは明確でなく、よく新聞や会社でもこの2つを混同しているなと
感じることが多い。ではどうすればこの2つを仕分けするか。答えは、トレードオフや不可逆性があるのが戦略、ないのが戦術。
例えば、2015年12月に伊藤忠が中国語のできる人材を社員の4人に1人の1000人養成すると発表していたが、これは戦略と言えるだろう。なぜなら、これだけ中国にリソースを割くと言うことは、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語等人材が薄くなるし(トレードオフ)、社長が変わり、もう中国はやらないといっても、じゃー1000人はどうするの?という話になり、後戻りできない。一方、ある総合商社の社長は「この中計はA・B・C・D・Eの5カ国に力を入れる、投資も数百億円やる」といっても、トレードオフになってないし、明日やめようと思ったらやめられるという点では戦術レベルの話となる。
トレードオフや不可逆性を知っておくと、経営者が言っていることが、戦略レベルの話なのか、戦術レベルの話なのかがピーンと来るようになる。