MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

商社マンは絶対この違いを理解しないといけない 事業戦略と全社戦略


実は戦略には2種類ある。みなさんご存知のポーターの基本戦略(差別化、低コスト、ニッチ)や競争優位性、3C分析等は事業戦略の範疇にあるが、実はこれとは別に全社戦略というものがある。

全社戦略は、総合商社みたいな、多くの事業を傘下に持つ企業(以下、多角化企業)の全社戦略のこといい、企業がどの事業をポートフォリオに持つか、そしてその事業郡をいかにマネージするかを決定するものをいう。総合商社の経営者がやることは、まさに全社戦略ということになる。

ポイントは、多角化企業は本社コストがかかるので、本社コスト以上に傘下のグループ間でシナジーを生み出さなければならない。本社コスト>シナジーだと、いわゆるコングロマリットディスカウント(本社をなくし、傘下の会社を別々に上場した方が全体の企業価値が高くなる)となる。

では、総合商社が本社コスト<シナジーとなっているかというとこれはなかなか難しい命題となる。PEファンドほどValue upに熱心でないし、ビジネス間のシナジーもあるようでない。加えて、本社コストも死ぬほど高い。

個人的には、新卒採用、資金調達、分散投資の3つかなと思っている。はやり、専門商社よりも総合商社の方が、採用への訴求力があるし、メガバンクも総合商社だから金も貸してくれるし、資源が凹んでもそれを支える他のビジネスがあるというのが強みかなと思ったりします。