MBA x 総合商社道場

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CAPMとアンシステマチックリスク   

 

アンシステマチックリスクとは、ポートフォリオ、つまり資産を複数持つことにより軽減できるリスク。別の説明をすると、業界や事業内容に関係なく、対象会社の固有のリスク。例えば、不正会計等の不祥事、集団訴訟敵対的買収をしかけられたとか、空前のヒット商品を生み出したとか。(逆にシステマチックリスクは、ポートフォリオによっても軽減できない、為替、景気、金利等のリスク。)

   

ポイントは、DCFで使う、CAPMの理論は投資家がポートフォリオを組んでおり、アンシステマチックリスクを負担しない前提の理論。(これって実はすごい前提。実際には個別株を持ち、実際不祥事等が起これば損を被るが、これを無視するということなのだから)よって、ベータもシステマチックリスクを表したもので、アンシステマティック・リスクは入っていない。

   

因みに、個人的にこの考え方を補強すると(教科書に出ているものではないので自信はないが)、「ベータ」で説明し通り、ベータの元データなる類似企業のベータは株価から計算される為、この株価には当然アンシステマティック・リスクが入っている。しかしながら、アンシステマティック・リスクにより株価が変動した結果。決定係数(R2)が0.1を切ったものは除外してるし、複数の類似企業と比べてベータの数値が乖離しているものも除外している。よって、対象会社のベータとして、使われているものは、ある程度ならした数字になっていると考えれば、アンシステマティック・リスクは軽減されている。

 

アンシステマティック・リスクを考慮するため、会計士は減損テストの際に、Company Specific Riskというなぞのプレミアムを乗せる。特に理論も意味もなく、WACCを上げたいという希望をかなえるため、適当に数字を乗せる。すごいいいかげん。