MBA x 総合商社道場

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M&A取引におけるお行儀

M&Aでは、LOI(意向表明書)で取引の大枠を握りDue Deligence(DD)に入り、株式譲渡契約(SPA)、そしてクロージングになるわけですが、通常、法的拘束力が生じるのはSPA締結であり、それまでは基本、Non-binding baseになります。

 

もちろん、買い手からすればDD前のLOIでBindingにできるわけもなくそれはそれで仕方ない

にしても、取締役会で否決されてしまえば当然Dealは買いませんし、DDの途中に気が変わったというのも十分ありえます。これが嫌な売り手は、Breakup feeを要求しwalk awayを抑止したり、実行性はともかく、good faith条項を入れて、信義則を問うということでそれのprotectionをします。

 

以前にも述べましたが、ただやめればいいだけの買い手と異なり、売り手はDDまで入ってしまうとやめれないとまではいいませんが、実務的に難しい局面も十分想定されます。たとえば、DDを売り手だけでやるのは無理なので対象会社の社員を通常巻き込みますが、一度、売ると決めた以上、やっぱやめたとなった後、対象会社の社員の心は株主からは離れてしまいます。

損害賠償できたとしても、こういうのはカバーできないですしね。

 

こう考えると、特に相対の場合、買い手のポジションが強くなります。従い、LOIでは甘い言葉でささやきとりあえずDDにはいり、DDで重箱の隅をつつきまくり、値段をたたきまくるということも可能になります。もちろん、LOI時にはわかってなかったこと、DDで新たな事実が分かった場合は遠慮くなく値下げすればいいと思いますが、そうでない場合は、LOIでのコミットを守る、お行儀の良さが求められるように思います。長期で見れば、それが業界での評判にもなるんでしょうし。