MBA x 総合商社道場

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ドンキTOB

 

ファミマが目指していたドンキのTOBが不成立になったとのこと。20%取得を目指したが、6600円の買い付け価格で売り手が少なく、わずか0.2%になったとのことです。

 

TOB発表前が5500円なので、20%のプレミアムを乗せた感じでしたが、TOB発表直後値段が跳ね上がり、TOB期間中は7000円付近にはりついたので、まぁ、売り手には魅力がなかったのでしょう。

 

このDealを少し掘り下げてみましょう。

 

まず、おさらいですが、Fair Market Value(FMV)=株価ではありません。マーケットは、感情で動きますし、当然マクロ経済の動向次第で上下します。従って、FMVはモデル回してDCFではじかなくてはなりません。

 

これにファミマがドンキに20%出資することによって生まれるシナジーがアップサイドとして加わります。これが買い価格のベースです。つまり、今回はこれが6600円だったのでしょう。

一方、売り手は今持っている価格の売り時を考えます。TOBは今回でいうと20%、つまり5人に1人が今売るのが最善と思ってもらわないいけません。 従って、これがTOBで経験則で言われる30%、40%ぐらいはらうと、TOBが成立するということです。 少しのプレミアムだと、「まだまだ上がる、今は売り時じゃない」と思われてしまうということです。

 

大事なのは株価×1.3がTOB価格なのではなく、DCF+シナジーTOB価格です。この価格が株価×1.3を結果的に上回るということ。

 

以上、総括すると、外からなんとなく推測するのは、ファミマがドンキに出資してもシナジーはそこまで多くなくて、たっぷりプレミアムを払えなかったということであり、一方、無理に価格を上げず、踏みとどまったというところは流石だなとも思ったりします。