MBA x 総合商社道場

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peと商社の違い その6

第6回は経営者。違いは以下の通り。

 

PE:プロ経営者
商社:親会社から派遣することも多い。

 

以前、書いたようにPEは”投資家”であって、ガバナンス屋なので、経営を直接やるようなことは基本ない。あくまで、プロの経営者を雇い、その経営者と目標・KPIに握りモニタリングしていくのが手法。

 

一方、商社は、特に国内の案件では経営者を送ることが多い。海外の案件も本当は社長を送りたいものの、日本人の限界があり、特にトレードの延長の事業投資(つまり販社)出ない限り、最近では社長は外国人社長を雇うのが通常だろう。

 

商社の場合、PEの人材とは異なり、入社以来その業界にコミットした商売のプロ人材を内部に抱えていることに加え、ノウハウ獲得や他の事業とのシナジーを利かせたいというニーズが大きい。
もちろん、プロ経営者を雇うと中身が見えなくなるという弊害や親会社の言うことを聞かなくなるのが心配という後ろ向きの理由もある。

 

社長を商社から送り込まない場合でも、営業部長や経営企画に出向させるのはミニマムであり、人を出さずにただ出資するだけというケースは非常にまれであろう。

 

この点、昔、PEと合弁をした際、「貴社(商社)からの出向はやめてください。出向者のパフォーマンスが低いと、プロ経営者に言い訳の材料を与えることになりますから。」と言われたが、この一言に両者の違いが端的に表れているだろう。