MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

商社のPL経営

投資会社に業態を変えた商社だが、もちろん投資時はIRRやNPVで案件を評価するものの、成績表は相変わらずPL。上場会社である以上は、PLはついて回るし、マスコミの記事を見てても、PLを基準で総合商社を比較している。

でも、PLは金で買うことができる。例えば、伊藤忠は、CITICへの6000億円に対して、毎期700億円程度の持ち分利益が上がる。日本のメガバンクからかなり安く金を借りて、中国に投資するので利回り高く、この調達金利との差が利益になる。一方、ファイナンス的には時価のものを時価(+プレミアム)で買っただけなので、買収時点では1円も価値創造をしていない。でも、PLは700億円もつくのである。(CITICへの投資はかなり戦略的でいい投資だと思いますし、これから、CITICを軸にビジネスを展開し、価値創造をする計画だと思います。)

これはこれで会計のルールなのでどうしようもないが、問題は成績表がPLで評価されるということ。PEファンドみたいにIRRで評価したいところだが、投資家はPLを見ており、ここが悩みどころ。でもPL経営を続けていると、買収してPLがついてHappyみたいな思考回路の人が減らない。。。。