MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

DCF Terminal Value の計算にマルチプルを使う根拠は?

 

Terminal Valueの計算には最終年度のFCFを(WACC▲成長率)で割って出すやり方と、EBITDAを類似事業者のEV/EBITDAマルチプルで乗じて出すやり方の2通りがある。因みに、Terminal Valueをマルチプルで算出する根拠はということ、数年後成長企業になったあとは、業界平均の株価に収束するという考えに基づく。

 

私個人としては、このやり方をお勧めしない、なぜなら理論上、DCFとマルチプルの結果がほとんど同じになるから。

 

前にも説明した通り、ValuationはDCFとマルチプルの両方を算出して、水準があっているかを確認し必要以上に高く評価していないかをチェックする必要がある。

Terminal Valueをマルチプルで算出すると、マルチプルは直近のEBITDAの○倍、DCFは1-5年目までのFCF+5年目のEBITDAの○倍となり、その差はDCF1-5年目のCash Flowを反映できるのみであり、ほとんどないことが分かる。よって、Terminal Valueを(WACC▲成長率)で計算した方が、DCFとマルチプルの結果が差がでる、つまりクロスチェックになって良いと考える。