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MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

Net Debtはどう計算すればいいか?

Net Debt(純有利子負債)算出の計算式は以下の通り。

株式価値(Market Value ) = 企業価値(Enterprise value)-純有利子負債(Net Debt)

純有利子負債= 有利子負債 - 現預金

評価日におけるBS上の数値をそのままひっぱってくればいいかというと一工夫必要となる。

 

まず有利子負債。通常の銀行借入、社債に加え、有利子負債に準ずるものとしてはリース債務、退職給付債務、偶発債務等を加算しなければならない。これらの性質、重要性、蓋然性や発生タイミング等を勘案し、有利子負債に含めるかを決定することになる。

 

次に現金。実はこれも難しい。BS上の現金や現金同等物が全て「余剰現金」かと言うとそうではなく、実際には事業に必要な運転資金があり、これを余剰現金からひかなければならない。つまり、株式価値から事業用資金分減額することになる。具体例で言うと、銀行借入が200億円、現金残が15億円(内5億円は事業上の最低必要資金)の場合、net debtは190億円となる。

(筆者は、売却案件の際に、これを忘れて、後から買い手に減額を主張されて、「予算が下ぶれるー!!!」と冷や汗をかいた経験がある。)

 

では、事業に必要な現金をどう計算するか。マッキンゼーの「企業価値評価」によれば、売上高の2%というデータが披露されており、これに従うと簡単に数億円の減額となるが、そんなballparkでは誰も説得できないので、確立されたやり方はないものの、一般的には(1)BS上の運転資金の水準、(2)対象会社の過去の資金需要(資金繰り)、(3)同業他社の水準、等を総合的に勘案することが望ましいと考えられる。因みに、筆者は小売事業者を買収するときに、各店舗のレジにある現金は、事業資金か余剰現金かという議論をしたことがある。(当然、事業に必要な資金として余剰現金から控除したが)