MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

walk away price の難しさ M&A

M&A

交渉前にwalk away priceを決定するというのは、超当たり前のプロセスながら、実は実行するのがとても難しいです。 というのは、以前、DCFの回でも説明したが、DCFでは前提の置き方で数字がめちゃくちゃ変わるし、シナジーも実現性を無視すればいくらでも織…

DD デューデリジェンス どうすすめるか 網羅性とピンポイント

M&A

DD デューデリジェンスをやるうえで、いかに大事な点にフォーカスするか。プロマネは、DDを始める前に、DDの大事な点を明らかにしないといけません。 Key questionは以下の3つ。 Is base case is Sustainable? Is downside is manageable? Is significant u…

ゴーン氏 脱出劇

カルロスゴーンの報道が連日されていて、おもしろいですね。有罪率99%の日本の司法の闇を考えるとゴーン氏が国外逃亡したくなるのもよくわかりますし、一方、潔白ならなぜ逃げるというのも正論で、なかなか難しい。 私が思うのは、カルロスゴーンってビジネ…

海外 M&Aの難しさ

一般的に海外、クロスボーダーのM&Aの難しさは、情報の非対称性だったり、法制度や文化の違い等があげあれるが、私からすると、日本の本社人材が使えないということだと思う。 国内の会社であれば、社長はもちろん、マーケや販売が弱ければ適当な人物を出向…

ESG経営

今、はやりのESG経営。個人的にはアングロサクソン的で好きではない。頭の中が金しかないアメリカの経営者にバランスを取らせるためにESGとか役に立つのであって、日本や欧州の経営者はもっと高い視座で会社を見ているように思います。 それをありがたがって…

記事 高値掴みの買収

https://diamond.jp/articles/-/223323?page=2 記事自体は入山教授の新しい本の紹介で、私も一度読んでみようと思いますが、その中に間違った内容があったので、以下コメントします。因みに、私の座右の書グラント(お勧め書籍 戦略本 - MBA x 総合商社道場…

大塚家具 ヤマダ電機 株価分析

このグログでも何度か取り上げてきた大塚家具が、ヤマダ電機との提携が発表されましたね。出資比率は51%を取ったので、大塚家からするとついに家業を人手に渡したということになります。 https://www.ryutsuu.biz/strategy/l121223.html 価格については株単…

環境デューデリジェンス フェーズ1 フェーズ2

M&A

環境デューデリジェンスの中味を簡単に説明しようと思います。 といっても、我々投資家は基本やることがなく、ERM等のコンサルが調査自体はやってくれるので、そのレポート結果を事業計画や、SPAに反映するのが仕事になります。 まず、初期調査としてデータ…

総合商社の課題、将来性ー真のグローバル企業になれるか?

商社で仕事していて、最近すごく思うのは、日本は人口減でマクロでは伸びない市場であり、日本企業の競争力も年々落ちているという事実。もちろん、商社はグローバルにビジネスを展開しているが、それはあくまで日本という切り口があってこそです。たとえば…

環境デューデリジェンス(DD)の実務

私を含め環境DDというと、技術の話で”どうしよう”となりがちですが、簡単にプロマネ視点で何をすればいいかを書きたいと思います。 通常、環境DDではフェーズ1で、データルームの書類確認(許認可関連書類、過去の地質の調査結果等)と現地視察をします。そ…

M&A 補償条項 (Indemnity Clause) の基礎知識

買収した後に、表明保証違反やコベナンツ違反等が発覚したときは、買い手は売り手に補償を求めることになります。 金額の設定について、いくつかポイントがあります。 上限(Cap): 補償額の上限です。ケースバイケースですが、一般的には取得金額の10-20%…

デューデリジェンスの流れ、目的―商社の営業はどういう観点でDDをしたらいいか?

M&A

ちょうど今プロジェクトをやっていて、初めてM&Aをやる若手(若手だけじゃないけど)がわかってないなと感じだので、商社の営業はどういう観点でDDをしたらいいかを書きます。 というのは、その若手たちは、膨大なデータを真面目に読み、この勘定科目はなん…

英語民間試験活用問題

現在、報道を賑わしている英語民間試験活用問題は、個人的にはイマイチピンときません。 もちろん、大臣の”身の丈”発言は、In Realityそうなんだろうけど、大臣が口に出してしまうのは、、、、、 指摘されているのは、運用とか技術的な問題だったり、学校が…

なんでサラリーマンはやる気のないオヤジなるのか?

MBAの時にならったのモチベーションの源泉。 1.報酬(含む出世) 2.自己成長 3.他人への貢献 総合商社を含む終身雇用の会社は、早ければ30代、どんなに遅くとも50歳にはその人がどこまで階段を登れるか、勝負がつきます。若い時は出世やスキルを身に着…

記事 佐藤優と丸紅國分会長の対談

佐藤優さんと丸紅國分会長の対談がのってました。 國分文也(丸紅株式会社取締役会長)【佐藤優の頂上対決/我々はどう生き残るか】(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース 「僕も入社式の時などに言うのですが、どんなに小さくても背中に日の丸を意識しろって。…

国内MBAは行く価値があるのか?

MBA

まず、よく聞く、国内MBAに行く意味があるかという問いについては、勉強するんだから、意味があるに決まっています。そこで学んだことは絶対に無駄になりません。学費も機会損失も海外留学に比べるとはるかに負担が軽いのです。 国内MBAで私が物足りないなと…

記事「MBAで学んでも結果が出ない人」の残念な理由について

MBA

「MBAで学んでも結果が出ない人」の残念な理由 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 という記事を読みました。ここでは、MBAで学んでも結果が出ない理由として以下が挙げられています。 ①そもそもそのコンセプ…

M&A シナジーなんて出たことがない

私はシナジーが嫌いだ。シナジーはM&Aの世界において一番のmagic wordなんだろう。 もちろん、M&Aの本質は、オーナーが変わることにより、シナジーが生み出され、100のものが130や200とかになり、それを売り手と買い手が山分けする win -win の取引であると…

MBAでの韓国人の友人との会話

留学当時、某有名経営者がHarvard時代、”韓国の友人と腹を割って話し合った。立場は違えど、お互いを理解できるものだ”と語っていた記事を見て、そうかーと思い、私も韓国人の友人に話をしたことがあります。 私「〇〇(友人の名前)、今、竹島/ドクトで日韓…

MBAでのコミュニケーション

MBA

以下の記事は、私のMBAでの経験に似ていて、内容も概ねそうかなと思います。 「人の話は最後まで聞け」というマナーは、世界の非常識だった (ムーギー・キム) | 現代ビジネス | 講談社(3/3) ここに書いてない内容で私がAddできるのは以下。 ・聞いている…

M&A Valuationができる とはどういうレベルか?

ファイナンスの教科書を読んで、Valuationを勉強すると意外に簡単と思うはず。DCFももちろん簡単なのですが、PERなんて、対象会社の純利益に類似業者の倍率(時価総額÷純利益の業界平均)をかけて算出するだけ。使うのは掛け算ということで、算数の世界です…

株式価値 /ファイナンス/PERで資本構成を同じにしないといけない理由

PERで類似業者を選ぶとき、同じ資本構成を選ばないといけません。理由は以下の通り。 A社 EBITDA 50 利払い 20 純利益30 B社 EBITDA 50 利払い 0 純利益50 A社 EV 1000 Debt 500 MV 500 B社 EV 1000 Debt 0 MV 1000 A社 EBITDA倍率 20 PER 16.7 B社 EBITDA倍…

記事「日本の学歴が世界で通用しない理由」

日本の学歴が世界で通用しない理由という記事を読みました。 https://news.livedoor.com/article/detail/17126971/ 日本の大学は入口管理があって出口管理がないというのはその通りですね。 私が卒業したB-schoolも「当校の卒業生と名乗るならこのレベルには…

MBA留学中の家庭不和と解決方法

MBA

この前、別の学校のMBAに行った友人と話をしてて、 MBA中にお互い夫婦仲が悪かったという話題で盛り上がりました。 まだ子供がいない若いカップルなら問題ないものの、子どもいる場合、 夫はMBAのプレッシャー、奥さんは子育てストレスを抱え、 普通、めちゃ…

終身雇用崩壊?だけど終身雇用は会社から従業員に一方的にGiveするものなのか?

トヨタや経団連の会長の発言で話題になっている終身雇用の終焉。確かに、ノースキルの学生を企業が一から育てるのでは間に合わないとか、事業の盛衰が激しい時代に、これ以上雇用を守りきれないとかその通りだと思います。 一方、従業員の視点で言うと、経営…

USと欧州のビジネススクール比較 その6 合コン

MBA

USと欧州のビジネススクール比較 その6として合コンについて話をします。 商社人らしく合コンと書きましたが、やっぱり欧州のMBAは一般ウケがよくないです。日本でもビジネスパーソンは当然その名知られてますが、普通の人はLBS、INSEADってどこ?というこ…

USと欧州のビジネススクール比較 その5 旅行

MBA

USと欧州のビジネススクール比較 その5として旅行について話をします。 MBAは休みが長いですから、旅行は大事です。これについては、欧州の方が圧倒的にいいと思います。 まず、アメリカは飛行機代が高いので、家族で移動すると国内でもすぐに1000ドルとか…

USと欧州のビジネススクール比較 その4 暮らし

MBA

USと欧州のビジネススクール比較 その4として暮らしについて話をします。 これについては、北米VS欧州のよりも都市VS田舎のGAPの方がありますが、敢えて、北米VS欧州の比較をすると、 北米(と英国)は英語圏なので、英語が通じ、子供がいる場合は英語環境…

USと欧州のビジネススクール比較 その3 就職

MBA

USと欧州のビジネススクール比較 その3として就職について話をします。 まず、日本での就職はトップスクールであれば、米国、欧州に差はありません。 私は欧州のMBAですが、同級生でコンサル、投資銀行他普通にいるので。 一方、海外就職という観点では、仕…

USと欧州のビジネススクール比較 その2 ビジネス知識

MBA

USと欧州のビジネススクール比較 その2としてビジネス知識について話をします。 欧州のビジネススクールでもケースは当然アメリカ中心であるものの、いろんな国のいろんな題材に触れらます。フランス、スペイン、ドイツ企業のケースもありますし、アジアや…