MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

M&A

PEファンドのEXIT

ダイヤモンドにJIPのオリンパスのカメラ事業のカーブアウト案件が紹介されてましたね。 https://diamond.jp/articles/-/241721 記事にある通り本買収額は、事業のターンアラウンドというよりは、EXITの絵をどう描くかという 点が大事です。 私は日頃からファ…

M&A 高値掴み

M&A 高値掴み M&Aにおいて、「あの買収は高値掴みだ」と言われるが、これはどういうことだろう。 一般には、買収において、シナジーを見越して、プレミアムを払ったものの、実際にやってみたら、シナジーが創出されず、プレミアム分、損したというもの。つ…

M&A「やっぱやめた」の記事

先日、このコロナ下で、M&Aを実行するかについて、このブログで取り上げましたが、 M&AにおけるブレークアップフィーとアサヒのABインベブ買収について - MBA x 総合商社道場 日経ビジネスで以下の記事が出ていました。要は、欧米企業は契約をしてても、ブレ…

PBR1倍割れの株式について 3

PBR最終回の今回は、ではなぜ商社の株式はPBR1倍割れているか。 本日の株価を見ると伊藤忠以外の5大商社はPBR1倍を切ってます。 そもそも今の商社は、投資会社なので、保有している株式の価値で時価総額も収れんするはず。もちろん、昔買った含み益のある資…

PBR1倍割れの株式について 2

前回の続きでPBRの限界について少し補足をしようと思います。 よく本にPBRというのは、清算価値だから、ある意味フロアーになると書いています。 しかしながら、我々の実感でもわかる通り、保有資産を売却しようとしても、簿価で売れることなんてめったにな…

PBR1倍割れの株式について 1

最近、意味不明に株価が上昇してますね。長期で見れば、DCF等で評価した株価に収束していくんでしょうが、短期の株の動きは、私にはさっぱり理解できません。 さて、ニュースを見ていると、商社株を始め、PBR1倍割れの株の記事をよく見たりします。また、株…

前田道路 社長交代

少し出遅れましたが、このブログでずっと追いかけていた前田道路のTOBですが、社長が交代を発表してましたね。 https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS07720/94ab1234/22c7/4884/99d5/125f6e629720/140120200514413938.pdf TOBが成立。TOBに反骨精神む…

M&AにおけるブレークアップフィーとアサヒのABインベブ買収について

M&A取引では、当事者のどちらか一方が、交渉からドロップする際に、補償として一定金額を払うことがあります。これをbreak up feeと言います。LOIとSPAに分けて考えます。 まず、LOIについて。LOIは一般的に法的拘束力はなく、LOI締結後DDに入り、交渉。妥結…

ブラジルレアルと新興国投資

ブラジルレアルがすごいことになってますね。なんと本日(5/11)は、1ドル5.8レアル。この10年で見ると、2011年は1.5レアル、私が案件をやっていた2016年とか2.8レアルなので、今はその半分の水準です。正直驚きを隠せませんね。 やっぱり新興国投資はハイリ…

前田道路 TOB成功

ついにTOBが成立しましたね。コロナで株価が低迷して、投資家からしてたらTOB価格が魅力的に映ったのでしょう。前田建設からするといる意味神風ですね。 前田建設、前田道路を子会社化へ TOB成功 :日本経済新聞 当初の目論見との比較でいると、Net Debtが例…

なぜ明らかに高い値段で買収するか?

M&A

後輩から、なんであの会社はあんな高い買い物をするんですかね?と聞かれたので、 以下、私の考えを。 まず、以前述べた通り、経営者がM&Aをやりたくなってしまう、背景があります。 なぜ経営者はM&Aが好きなのか? 失敗する理由 - MBA x 総合商社道場 成功…

Walk Away Price 以外のWalk Away事項

M&A

以前、買収価格がこのラインを越えたら、潔く撤退すべしというWalk Away Priceについて書きましたが、値段以外にも Walk Away 事項があります。 walk away price の難しさ M&A - MBA x 総合商社道場 1つは、シナジーが実現できないとわかったとき。これは値…

Post-Closing Due Diligence

M&A

本を読んでいると、Post-Closing Due Diligenceの実施がよくレコメンドされている。確かに、買収前のDue Diligence(DD)で得られる情報は限定的であり、Lixilのグローエ買収時に問題になった中国の出資先の不正会計(Lixilは600億円を超える損失を計上)等…

ストレッチした予算(事業計画)の弊害 

商社ビジネスもすっかり投資になり、特に海外の事業は現地人の経営者に任せて、基本はBoardを通じたガバナンスを利かせるのが基本になる。その際、注意しないといけないのは、プレッシャーのバランス。アメとムチ、つまり報酬とノルマということになるが、予…

クロージングにおける価格調整方法 その3  M&A

以前、以下の記事を書きましたが、いくつか質問を受けたので追記します。 クロージングにおける価格調整方法 その1(Locked Box 方式) M&A - MBA x 総合商社道場 クロージングにおける価格調整方法2(Completion Adjustment 方式) M&A - MBA x 総合商社…

表明保証保険、ImdemnityのCap  M&A

今日、弁護士と話をしていたら、アメリカでは、ImdemnityのCap は7-8%、よくて10%が相場だそうです。また、表明保証保険も昨今ずいぶん、料率が下がったので、かなりMajor になったとのこと。なので、契約をごりごりネゴるなら、保険買ったらと言われまし…

データルームの思い出 M&A

M&A

今ではすっかり、Virtual data roomが主流になりましたが、私が会社に入ったころの2000年代の前半は、弁護士事務所や貸し会議室でのPhysical でのData roomでした。ドラマ「ハゲタカ」でもコピー機を持ち込むシーンがあったような気がします。 アメリカで仕…

M&A デューデリジェンス 弁護士・会計士等の通う方法

M&A

私の経験では、DDにおいて、クライアントである買い手から気になるポイント、調べて欲しい点を明確に伝えることが大事だと思います。でないと、DDを依頼された弁護士・会計士は、網羅的に問題を列挙することとなりがちで、本来深堀りすべきリスクの精査が不…

前田道路 敵対的TOB

前田道路が前田建設によるTOBに反対し、敵対的TOBに発展したようです。「当社の収益力は圧倒的に上回っている」とか「資本市場からの評価が乏しい企業によって経営される」とか言いたい放題です。日本もいよいよ米国のようになってきましたね。 ちょっと、調…

キーマン条項 M&A

会社を買収する際、たとえば、DDをしてみたら、有能な経営者や技術者等がいて、その会社のオペレーション・企業価値に大きな影響力を与えているというケースがあります。こういう場合、買収後一定期間(通常2-3年)会社にとどまってもらうという条項、キーマ…

M&Aの経験値、ノウハウをどう高めるか 

M&A

どの事業会社でも、M&Aの経験値、ノウハウをどう高めるかについて、いつも頭を悩ましていることと思います。FAを雇ってもDealを成立させてくれても、特にビジネスDDの精度が高くなるわけではないし、コンサルを雇って調査させても、依頼する我々がちゃんとし…

M&A いかに高値掴みを回避し、安く買うか。 番外編 HOYAの鈴木CEO「しょうがない」

先日アップしたM&A いかに高値掴みを回避し、安く買うか。 - MBA x 総合商社道場に関して、HOYAの鈴木CEOの記事が出ていたので、シェアします。 東芝とTOB合戦、敗れたHOYAの鈴木CEO「しょうがない」:日経ビジネス電子版 随所にM&Aに対する経営者の心構えは…

M&A いかに高値掴みを回避し、安く買うか。

M&A

買収価格が高くなればなるほど、減損リスクが高くなるだけではなく、買収後の資金余力がなくなり、さらなる成長のための投資等も困難になる等の弊害あり。 安く買って、高く売るのが基本中の基本であり、ではどうすればいいのか、難しい問題ながら、以下私の…

walk away price の難しさ M&A

M&A

交渉前にwalk away priceを決定するというのは、超当たり前のプロセスながら、実は実行するのがとても難しいです。 というのは、以前、DCFの回でも説明したが、DCFでは前提の置き方で数字がめちゃくちゃ変わるし、シナジーも実現性を無視すればいくらでも織…

DD デューデリジェンス どうすすめるか 網羅性とピンポイント

M&A

DD デューデリジェンスをやるうえで、いかに大事な点にフォーカスするか。プロマネは、DDを始める前に、DDの大事な点を明らかにしないといけません。 Key questionは以下の3つ。 Is base case is Sustainable? Is downside is manageable? Is significant u…

海外 M&Aの難しさ

一般的に海外、クロスボーダーのM&Aの難しさは、情報の非対称性だったり、法制度や文化の違い等があげあれるが、私からすると、日本の本社人材が使えないということだと思う。 国内の会社であれば、社長はもちろん、マーケや販売が弱ければ適当な人物を出向…

大塚家具 ヤマダ電機 株価分析

このグログでも何度か取り上げてきた大塚家具が、ヤマダ電機との提携が発表されましたね。出資比率は51%を取ったので、大塚家からするとついに家業を人手に渡したということになります。 https://www.ryutsuu.biz/strategy/l121223.html 価格については株単…

環境デューデリジェンス フェーズ1 フェーズ2

M&A

環境デューデリジェンスの中味を簡単に説明しようと思います。 といっても、我々投資家は基本やることがなく、ERM等のコンサルが調査自体はやってくれるので、そのレポート結果を事業計画や、SPAに反映するのが仕事になります。 まず、初期調査としてデータ…

環境デューデリジェンス(DD)の実務

私を含め環境DDというと、技術の話で”どうしよう”となりがちですが、簡単にプロマネ視点で何をすればいいかを書きたいと思います。 通常、環境DDではフェーズ1で、データルームの書類確認(許認可関連書類、過去の地質の調査結果等)と現地視察をします。そ…

M&A 補償条項 (Indemnity Clause) の基礎知識

買収した後に、表明保証違反やコベナンツ違反等が発覚したときは、買い手は売り手に補償を求めることになります。 金額の設定について、いくつかポイントがあります。 上限(Cap): 補償額の上限です。ケースバイケースですが、一般的には取得金額の10-20%…