2016-09-07から1日間の記事一覧
βはその企業の事業リスクだけでなく、その企業の財務上のリスクも表している。同じ事業をしていても、有利子負債が多ければその分株主へのリスクが高まりそれがβに反映される。よって事業リスクだけを見るには、有利子負債の影響を除く必要がある。 実務は、…
β(ベータ)を算出するのに使う類似企業は、数学的には数が多ければ多いほどよい。 マッキンゼーの「企業価値評価」を引用すると「有利子負債のない場合の業界βが同じ分布から算出されるなら、業界平均の標準偏差は、β分布の変動率を、データ数の平方根で割…
Valuationで類似企業のデータを取る時に平均値ではなく、中央値を取るのはなぜか?類似企業の中には、他社の数値のかけ離れた異常値があることはままあり(例:5社のβが0.6-0.8のレンジなのに、1社だけ1.5)、平均にしてしまうとデータがゆがむため、平均で…
対象株式を株式市場と比較してβを出す場合は、株式市場は何のデータを使うべきか。日本株式であればTopix、米国株式ではS&P500が一般的。一方、途上国の場合株式市場が未成熟であることから、そもそも類似企業が上場してなかったり、データ自体が揃ってなか…
一般に5-10年分作成すると言われるが、私の考えは事業の成長が安定するまでが正解となる。ご存知の通り、事業計画以降の数字はTerminal Valueでより価値を見込むがFCF/(WACC-成長率)で計算することから分かる通り、成長率の1つの数値である。つまり、…
Terminal Valueの計算には最終年度のFCFを(WACC▲成長率)で割って出すやり方と、EBITDAを類似事業者のEV/EBITDAマルチプルで乗じて出すやり方の2通りがある。因みに、Terminal Valueをマルチプルで算出する根拠はということ、数年後成長企業になったあとは…
「M&A取引の本質」「コントロールプレミアムとは何か?」の際に、買い手は買い手独自の事業計画を作成し、そこから生み出したシナジー等のCashを原資に売り手にプレミアムを払う説明をしたが、そもそもプレミアムは払わないといけないのだろうか? 答えはYES…
前にも紹介したとおり、リスクプレミアムのデータベースとしてNYUの有名教授であるDamodaran教授のデータベースが使える。(データ更新は半期に1度) http://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html 数字の見方を説明する。Dam…
市場の期待収益率とリスクフリーレートの差。(つまり、投資家にとって、株式市場は株価の変動があり国債よりもリスクが高いことからより高い利益を期待する。) 通常は、ibbotson社が提供するhistoricalデータを使用する(つまり、過去うん十年遡って各株式…
リスクフリーレートには国債を使うが、国債には通常1カ月ものから30年ものまであり、満期により利回りが異なる為、どの期間のものを選ぶかが問題となる。 理想としては、10年後のCash Flowを10年満期の国債といったように、各Cash Flowを満期が同じ国債で…
DCFのWACCの設定で使用するβ(ベータ)はエクセルを使って自分で計算もできるが、通常、ブルムバーグの端末で取得する。5年月次か2年週次の未修正βが一般的。特定の時期における変動の影響をミニマイズするという意味では5年がベターと考える。因みに、ブル…
まず資本コストは、次の算式によって求められる。「資本コスト=リスクフリーレート+ベータ×リスクプレミアム」 Β(ベータ)とは、株式市場が1%変化したときに、対象の株式のリターンが何%変化するかを表す係数。例えば、TOPIXのリターンがある期間に10%…