MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

PBR1倍割れの株式について 1

最近、意味不明に株価が上昇してますね。長期で見れば、DCF等で評価した株価に収束していくんでしょうが、短期の株の動きは、私にはさっぱり理解できません。

さて、ニュースを見ていると、商社株を始め、PBR1倍割れの株の記事をよく見たりします。また、株式の書籍を見ているとPERと並んでPBRを指標と進めているものがあります。しかしながら、私の意見はPBRを元に株を買うのはあまりよくないかなと思います。

PBRは時価総額÷純資産なので、PBR1倍割れというのは、市場が評価した会社の価値が、純資産(つまり会計上の解散価値)を下回っていることを意味します。では、なんで、下回っているのというと、配当が低いとか、含み損を抱えた資産があるとか、いろいろ理由があるんでしょうが、一番の理由、というか基本の考え方からすると事業計画をWACCで割り戻して計算したら、純資産を下回るぐらい収益力がなかったということになるでしょう。

従い、稼ぐ力がないのだから、株を買っても、儲からんということになるのではないでしょうか?

 

 

前田道路 社長交代

少し出遅れましたが、このブログでずっと追いかけていた前田道路のTOBですが、社長が交代を発表してましたね。

 

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS07720/94ab1234/22c7/4884/99d5/125f6e629720/140120200514413938.pdf

 

TOBが成立。TOBに反骨精神むき出しで反対していた社長は当然更迭、代わりにmajorityをとった前田建設から社長が来ます。 前社長からすれば、経営能力抜群、数字も残してきただけでにやりきれないでしょうね。 是非、もうひと花咲かせていただきたいと思います。

 

しかし、これが資本の論理。寂しさを感じます。一方、前田建設もそこまでやるなら、100%化して非上場化しろよと、一般株主の目線からはおもったりします。

M&AにおけるブレークアップフィーとアサヒのABインベブ買収について

M&A取引では、当事者のどちらか一方が、交渉からドロップする際に、補償として一定金額を払うことがあります。これをbreak up feeと言います。LOIとSPAに分けて考えます。

 

まず、LOIについて。LOIは一般的に法的拘束力はなく、LOI締結後DDに入り、交渉。妥結しなければ、ペナルティーなしでやることができるのが原則。一方で、売り手の立場からすると、たとえば、同業への身売りで営業秘密も含め開示したり、そもそも、DD対応でものすごく手間がかかる中、その労力と手間のためにbreak up feeが欲しいというもあります。買い手も同じで、DD費用を億円単位でかけることもあり、この場合も破談になれば補償が欲しいでしょう。更に、お金ではなく、break up feeを設定し、相手の本件Dealに対する本気度を見るという意味もあります。相場は取引金額の1-5%と言われています。住友信託とUFJの和解金は確か1%ぐらいだった記憶があります。

 

次に、SPA締結について。SPAを結ぶと、法的拘束力が発生しますから、CPが充足されれば、クローズする義務があります。一方で、独禁法のクリアランス等のCPがある場合に、クローズできないリスクがあり、これを手当てするためにブレークアップフィーが設定されることもあります。普通の取引だと経験上、設定しませんが。AT&TT-Mobileの件では取引15%パーセントあたる約60億ドルが設定されたと言われています。

 

さて、今朝、以下の記事を見ました。このコロナで不透明の中、この巨額買収はしびれます。当然、SPAは締結済みでしょうから、やめるとしたら、訴訟覚悟で一方的な破棄ということしかないのでしょうが、会社のとしてレピュテーションもあり、それも難しいでしょう。飲料ビジネスなので、そこまで打たれないのでしょうから、是非成功させてほしいですね。

 

アサヒ、ABインベブ豪事業の株式取得で三井住友銀から1.18兆円借入

アサヒGHがABインベブから豪ビール会社買収へ、1兆2000億円 - Bloomberg

 

 

商社とリモートワーク

コロナですっかりリモートワークが定着しつつありますが、Afterコロナを考えたとき、総合商社でリモートワークをどう活用していくかを少し考えます。

 

まず、私がリモートワークをやったみた実感として、以下の感想があり、トータル圧倒的にいい。

 

・通勤がない。・昼寝もできて、体が楽。⇒生産性が上がる。

・本を読んだり、E-learningで勉強するのに最適。

・Zoom等の打ち合わせもスムーズ。

・なぜか、趣旨がよくわからない打ち合わせが減り、時間が増えた。

・子供のケアができる。(これは共働き世代にはすごいメリットだろう)

 

デメリットとして感じるのは、雑談ができないことぐらい。トイレですれ違ったときやランチで入ってくる、何気ない雑談から入ってくる情報が意外に大事で、やっぱり、ZOOMでわざわざつなぐのは遠慮してしまう。

 

上記からは、コロナ後も是非続けるべきという結論になるが、一方、気になるのは、若手の教育。わたしは40代のある意味、仕上がったビジネスマンなので、こんなこと言えるが、職場でのふるまい方を通じて社会生活を学ぶ新人はもちろんのこと、OJTでビシビシしごかないといけない、30代の前半までの若手は、やっぱり、オフィスで徒弟で仕事を学ばないといけないんだろうなと思います。

よって、私の意見としては、やっぱり半分ぐらいはリモート、半分はオフィスというのが最適な気がします。もっとも、役員が毎日出社したりすると、気がついたら、リモートワークは有休みたいに”特別なもの”になってしまう虞がありますが。。。

書評:コンサル一年目が学ぶこと

会社にあったので、読みました。”コンサル”と書いてますが、コンサルに限らず、総合商社はもちろん、どの業界にでも使える、普遍的なTIPSが書かれています。私が普段感じる仕事ができる人の特徴、仕事術が書かれており、新人から若手にお勧めです。是非、読みましょう。

 

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昔の商社マン

今日はナレッジというより、思い出話。

 

私が総合商社に入社したのは早20数年前。その頃は、まだまだトレード全盛で、且つ、今とことなり超ブラック企業で、12時まで仕事して、そこから飲みに行ったりしてました。 とにかく、拘束時間が長ったですね。人間力を鍛えるぞって、月曜日に朝3時まで飲んで、そこからボーリングに行き、そのまま出社みたいこともしてました。 今はそんなこともなくなり、すっかりホワイトないい会社になりました。

 

トレード全盛のころは、人間力の塊みたいな人もたくさんいて、隣で会話をよく、聞いていると、「すいません。おっしゃるとおりです。」しか言ってないのに、最後はメーカーの人に、気持ちよくなってもらう、職人芸も持っている人。酔っぱらうと、メニューの写真の刺身を食べようと、はしで一生懸命つまもうとする人(ちなみにその方は、屏風のトラのエピソードに似ているということで、”一休さん”と呼ばれてました。)。英語が全然できないのに、one please(”ひとつよろしく”と言いたかったらしい)と商談の最後に言う人。懐かしいですね。

 

投資が中心になり、少し賢くなった商社マン。でも、戦コンとかIBほどは賢くないんだから、やっぱり先人にならい、人間力はやっぱり高くないといけませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

まずやることを決め、走りながら考える

スピードの時代、まずは初めて、走りながら考えるのが求められるのは頭では分かっていたが、最近改めてそう感じるエピソード。

 

今、アメリカの学校では、コロナで通学ができないので、ZOOMやgoogle class roomを使ったEラーニングを使い、カリキュラム通り進めている。準備は10日ぐらい、最初はZoomにアクセスできなかったり、途中からセキュリティーのためパスワードが導入されたりと混乱があったものの、徐々に慣れてブラッシュアップし続けている。PCがない人は、学校のものものを貸与したり、他の家で余っているipadを融通したりしているようです。

一方、日本の状況はご存知の通り。挙句に9月入学とか言い出したり。今後、Pros /Consを整理し、システムを立ち上げ、準備の上立ち上げても、失われた時間は戻るわけではないし、既に数か月Try&Errorを重ねたアメリカのものには勝てないでしょう。

あらためて思うのは、少なくても、その方向に行くのがほぼ確実(今回でいうとEラーニング)なら、とりあえず、始めるのが大切なんだと痛感しました。もちろん、混乱・失敗するのは確実なのですが、やらないよりはマシなのは明白です。最初に、「最初の2,3か月は混乱します。あらかじめご了承ください。でもきちんと立ち上げ、すばらしいものにします。」と言えばいいだけなのだ。

「失敗してもやらないよりはマシ」というのは、”失敗”する以上、サラリーマンの世界では中々難しいのですが、今回の事例のように、まずは始めてしまった方が絶対いいよねっというものは意を決してやらないといけませんね。