peと商社の違い その5
第5回は資金調達。違いは以下の通り。
PE:プロファイ
商社:コーポレートファイナンス
既に説明の通り、PEの投資は、プロファイによりレバレッジを高めるのが大原則。
一方、商社はインフラ等ではプロファイを使うことはあるものの、コーポレートファイナンスが基本となる。
プロファイは資金効率がいいものの、レンダーから様々な制約が課され、経営の自由度がない。その点、商社の場合は、レンダーからあれこれ言われることがなく、自由度は高い。
但し、これも善し悪しあって、よく商社の子会社は、資金を親会社保証で銀行からバンバンひっぱれるので、緊張感がないとか言われる。
何事もPros Consありますね。
peと商社の違い その3
第三回は投資対象 。違いは以下の通り
PE:安定した成熟企業
商社:必ずしも安定してなくてもいいスタートアップも可
PEは、基本的にレバレッジバイアウトでノンリコースローンを引っ張る為、レンダーからCFの固さを要求される。従い、投資対象はCFが安定した成熟企業に限定される。
一方、商社は基本は親会社保証のコーポレートファイナンスなので、CFの固さは必要がない。よって、自らベンチャー的な企業を立ち上げることもある。
peと商社の違い その2 事業領域
第2回は、事業領域。違いは以下の通り。
PE:幅広い
商社:幅広いが、各BLのビジネスに関連するもの
PEは、其々得意分野はあるものの(小売業に強いファンド等)、基本的には専門性は金融であり、業種は問わない。
一方、商社も総合なので、会社自体の事業領域は広いが、基本的にはシナジーによるvalue creationがないといけないので、各Business Lineと関連する事業でなければならない。
peと商社の違い その1 リターンの源泉
今回から、全17回にわたり、PEと商社の何が違うについて考察したい。私見も多分にはいりますが。
第1回は、リターンの源泉。違いは以下の通り。
PE :レバレッジ、EVの向上
商社:企業成長、EVの向上
PE投資は基本的にレバレッジバイアウトでノンリコースローンを引っ張る為、PEのリターン源泉はレバレッジと、シナジーやコストカットによるEVの向上となる。因みに、一般にPEのリターンの源泉の半分はレバレッジ効果と言われている。
一方、商社の場合、ノンリコースローンをひっぱらないので、投資対象はPEのようにCFの安定した企業に限らず、early stageの案件にも投資する。従い、シナジー等によるEVの向上だけでなく、企業成長もリターンの源泉となる。