MBA x 総合商社道場

MBAと総合商社の事業投資をメインの話題にしたブログです。

フレームワーク

以前、「MBAはレベルが低い」でも少しふれたが、フレームワークについて少しコメントしようと思う。
http://mbashoshadojo.hatenablog.com/entry/2016/09/10/071748

 

MBA受験を目指している後輩と以下のようなやりとりをした。

後輩:「MBAフレームワークを勉強できるっていうけど、本はたくさんでてるし、意味あるんですか?」


私:「まぁ、実際習うのも、極端にいえば3Cと4PとSWOTぐらいだからね。」


後輩:「それぐらいだったら、うちの会社の人だったら、みんな知ってますよ。」


私:「実際、そうなんだよね。じゃ、そのフレームワークを使って、戦略を立てる人ってどれぐらいいる?」


後輩:「。。。。。。あんまりいないですね。」
私:「MBAにいくと、正解かどうかは別にして、戦略を自分で立案できるようになれるよ」


後輩:「なるほど」

 

そうなんです、フレームワークという知識だけなら、5分で習得できるものを、MBAではケースをつかって、1000本ノック(HBS、Darden、IESE等のケースの学校に行くと、実際これに近い数のケースをやります。)をやり、体になじませることができるのが、まさにMBAの価値になります。更にいうと、フレームワークを意識せず、あてはめなんてしなくていいぐらい、刷り込まれます。まさにイチローとかのプロスポーツと同じ原理ですね。

内館牧子著 終わった人

非常に面白かった。銀行を定年退職した人の老後を描いた話。特に大企業に勤める30,40、50代は共感するでしょう。

「若い頃に秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点って大差ないのね・・・。」とか

実力がありながら、結局最後は運で決まる役員人事とか、サラリーマンの悲哀が書いてあります。

 

因みに私のB-Schoolの卒業式で、某保険会社のCEOがスピーチした際に、「出世を人生の目標にしてはいけない。だって社長は一人しかなれないのだから、挫折する可能性が圧倒的に高い」と言っていたのを思い出しました。

 

家族を大切にしつつ、生き方とか、自己成長とかを軸に人生いきないとダメだなと痛感した次第。

東洋経済「伊藤忠と三菱」

12/17の東洋経済伊藤忠と三菱」の特集がされていた。伊藤忠は本当にマスコミに人気があるなと感心するが、私が気になった記事は、三井の安永社長のコメントで、「国を背負い、産業の成長を支える、社会的使命を持つ、単なる商人では困る」というもの。

 

よく学生に商社に就職してよかったことを聞かれるが、個人的にはこういう気概を持てるところが商社のいいところだと思う。

生産性 その2

前回、生産性についてコメントしたが、個人的にはアウトプットの定義をしっかりやることが大事と感じている。

生産性の議論は、たとえば会議を減らそう、スマホ断ち等のインプットに力点が置かれるが、ゴール、つまりアウトプットの設定の方が大事だと思う。
なぜなら、インプットはアウトプットの逆算だから。

一方、アウトプットの定義はワーカーと異なり、ホワイトカラーの場合は難しい。たとえば、商社も、儲かる投資をするというのが究極のアウトプットだとしても、中には数年がかりで仕込む案件もあり、
大枠過ぎるので、細分化が必要。そうすると、Dealの検討数なのか、出資先の訪問数なのか、社内の関係者の根回しなのか、KPIは無数に広がる。結局、仕事の付加価値をとことん自ら問い、考えることが生産性の向上に繋がるかもしれない。

生産性 その1

HBRで伊賀泰代の生産性に関する記事(http://www.dhbr.net/articles/-/4574)が出ていて、おもしろかった点が2つ。1つが、「結果が出ないときに量で補おうと残業するやつはマッキンゼーで生き残れない。」という点。結果が出ない理由を突き止めそのスキル・ナレッジを身につける努力ができることが求められるとのことだが、全くその通りだと思った。長時間労働はなんとなく頑張って気になるし、まわりもそう評価しがちだが、これはいさめなければならない。

 

もう一つが、5時間で80の成果を出している人と、15時間の労働で90の成果を出している人がいる場合、前者は評価せよとのメッセージ。後者を会社として評価すると、究極労働時間を延ばすインセンティブとなり、生産性をあげることができない。

 

最初に読んだときに、これは難しい問いだな、90点、100点を取ることも企業にとっては重要なのではと思っていたところ、たまたま読んだ山口周さんの本(外資系コンサルの知的生産術)に「プロというのは常に100%を目指すというのは勘違いで、プロというのは、80%の力で、クライアントを継続的に満足させられる人」をいうというような趣旨のことが書いてあった。要は常に全力投球では体が持たないし、効率も悪いと。80点、つまり合格点が取れる範囲で割り切りし、その合格点を取るための最低限の努力をすべしとのことで、個人的にはとても納得しました。

リーディングの勉強法

後輩にリーディングの勉強法を聞かれたので、お勧めの方法を紹介します

一つ目は量を読むこと。mbaに行くと毎日百ページは英文を読まないといけないので、結局速読の近道は慣れということになる。

基本的なには毎日のノルマを一日30ページにしてひたすら読みまくる。ポイントはいきなりエコノミストではなく簡単なモノから始めること。お勧めはペンギンリーダーが楽しめるので良い。うちの近所の図書館にも置いてある。

 

次のお勧めは暗証。長くなくていいので文章を暗記する。すると構文が頭に入るので、頭から読みかえりをせずに英文が読めるようになります。

 

やっぱ英語の勉強は地味ですね

 

 

商社のPL経営

投資会社に業態を変えた商社だが、もちろん投資時はIRRやNPVで案件を評価するものの、成績表は相変わらずPL。上場会社である以上は、PLはついて回るし、マスコミの記事を見てても、PLを基準で総合商社を比較している。

でも、PLは金で買うことができる。例えば、伊藤忠は、CITICへの6000億円に対して、毎期700億円程度の持ち分利益が上がる。日本のメガバンクからかなり安く金を借りて、中国に投資するので利回り高く、この調達金利との差が利益になる。一方、ファイナンス的には時価のものを時価(+プレミアム)で買っただけなので、買収時点では1円も価値創造をしていない。でも、PLは700億円もつくのである。(CITICへの投資はかなり戦略的でいい投資だと思いますし、これから、CITICを軸にビジネスを展開し、価値創造をする計画だと思います。)

これはこれで会計のルールなのでどうしようもないが、問題は成績表がPLで評価されるということ。PEファンドみたいにIRRで評価したいところだが、投資家はPLを見ており、ここが悩みどころ。でもPL経営を続けていると、買収してPLがついてHappyみたいな思考回路の人が減らない。。。。